マイペースチャリダーが行く

ちょうど古稀を迎えた理系チャリダーのブログです。

「自転車の車輪の転がり抵抗について-1」はこちら

サイクリストと不整脈3 心房細動 その後の経過

 今回は、「サイクリストと不整脈」その3として、私が2021年12月に受けた心房細動の治療カテーテルアブレーション後の1年半の経過状況について紹介しようと思う。

 

(1)これまでの経緯

 2020年7月に発覚した心房細動に関しては、発症までの期間は、前々回記事で述べたように、私は心拍数を計測しながら走行していたにもかかわらず、最大心拍数を超えた場合にどうするか決めずに走行していたため、発症に気づくのが遅れてしまったのが、最大の反省事項だ。

 一方前回記事では、発覚した心房細動治療のために受けた1回目カテーテルアブレーション施術(2020年11月)と2回目カテーテルアブレーション施術(2021年12月)について紹介した。また2回目のカテーテルアブレーション後、4ヶ月が経過しても、1割程度の頻度で心房細動が発生していることも報告した。

 

(2)その後の経過

 前回記事(2022年4月)以降も、経過観察として、私は自主的にアップルウォッチを利用して心電図は毎日計測している。計測方法は、通常1日1回、夜寝る前にベッドで横になった状態でアップルウォッチで心電図を計測している。計測された心電図は、アップルウォッチとペアリングしたiphoneで確認できるが、iphoneだと画面が小さいので、私は心電図をiphoneからPCにメール転送してPCで心電図を確認している。

 以下の表は、毎日1回計測した心電図の1ヶ月あたりの判定回数を示しており、判定は、心房細動、洞調律(正常)、判定不能の3つに分かれている。

 上表右端の心房細動比率*とは、心房細動と判定された測定回数を、全体の測定回数(=心房細動回数+洞調律回数+判定不能回数)で割った比率(%)である。

 一方前回記事で示した心房細動比率は、心房細動回数を正常な測定回数(=心房細動回数+洞調律回数)で割った比率(%)であり、今回記事の心房細動比率*と若干のズレがある。

 私の心電図に限って言えば、判定不能となる心電図は、そのほとんどが低心拍数で、心房細動ではないと推測されるため、上表(今回のまとめ)では、心房細動の比率を算出する際の測定回数の分母に算入することにした。ただし、前回記事と区別するため、今回記事の心房細動比率*は、最後に*を付けて前回記事の心房細動比率と区別した。

 

(3)心房細動比率*の推移

 心房細動比率*の推移を以下に示す。2022年5月くらいまでは、心房細動比率*が順調に低下していたが、2022年6月~2023年3月までの9ヶ月間はやや増大傾向となってしまった。

 この心房細動の増大傾向の原因として、最も有力な原因と私が考えているのは睡眠不足だ。実は、私は2023年3月まで大田区老人いこいの家で清掃アルバイトしていた。清掃チームは4人のシフト体制なのだが、5月に1人が怪我をして3人体制となったために急に忙しくなってしまった。清掃アルバイトの日は、いつもよりも1時間早く6時に起きる必要があり、どうしても寝不足になりがちだ。私的には、この睡眠不足が大きな原因と感じている。

 この睡眠不足は、今年4月に清掃アルバイトを辞めたため、7時起床の普段の生活に戻り、寝不足と感じることは少なくなった。そのためか、今年の4月の心房細動比率*は17%と若干の改善の兆しがあり、今後さらに改善されることを期待している。

 一方、飲酒については、医者から1週間に1回程度と制限を受けているため、2022年10月まで、ほぼそれに従っていた。2022年11~2023年2月は心房細動完治を目指し、さらに2週間に1回程度に自主的な制限したにもかかわらず、心房細動の頻度の改善が見られなかった。そのため、飲酒は今回の心房細動比率の増大に大きな影響はないと感じている。ただし念のため、2023年3月以降現在まで、飲酒は停止している。


(4)まとめ

 今回検討した心房細動の経過状況に基き、得られた知見や今後の方向性を、以下にまとめておく。

  1)睡眠不足は心房細動を悪化させる可能性がある。

  2)心房細動の発現率を低く抑えるためには、十分な睡眠を取ることが望ましい。

  3)カテーテルアブレーション施術を2回受けたものの、心房細動の完治は困難。

  4)今後は、心房細動とうまく付き合っていくことが重要。

 

輪行の分類と、記号表記法の提案

 本記事では、輪行を含めた自転車携行を分類するため、私が勝手に「記号表記法」と名付けた自転車携行に関する分類法を新たに開発したので、それについて紹介・提案する。

 

(1)背景

 私が去年から気になっている自転車で、カラクルCOZというカーボン製の折りたたみ自転車がある。カラクルCOZは6.7kgという超軽量なのだが、お値段も30万円以上と少々高い。この折りたたみ自転車を導入した場合の利用は、輪行が前提となるので、どのような輪行でメリットがあるのか検討してみたくなった。

 検討に際しては、どのような輪行があるのか分類して、それらの各分類に対してカラクルCOZの適正を評価したいと考えた。しかしながら、先行事例をググっても、これまでに輪行の分類は公表されていないようだ。先行事例が無いならば、作っちゃえと言うことで、輪行を含めた自転車携行の分類のために、勝手に「記号表記法」と名付けた表記法を開発することにした。

 

(2)記号表記法について

 記号表記法のアイデアのポイントは、自転車を持ち運ぶ各行程をアルファベットの記号で表記することだ。記号表記法の主要な文法は以下のとおりだ。

 ・記号のアルファベットは、その行程が思い浮かぶ英語の頭文字とする。

 ・移動手段が公共交通か自家用かは区別せず、一つの記号で表す。

 ・宿泊は、場所を識別するために、宿泊場所番号で表す。

 ・宅配便は、自転車輸送と別に、人の移動をカッコ書きで併記する。

 ・各行程は、時間順に左からアルファベットまたは宿泊場所番号を記す。

 Wikipediaによると、「輪行とは、公共交通機関(鉄道~船~飛行機など)を使用して、自転車を運ぶこと。」と定義されており、輪行は、公共交通機関に限定した自転車携行方法である。

  しかし今回の記号表記法は、輪行(公共交通機関による自転車携行)に限らず、自家用車やレンタカーによる移動や、自走や宅配便などの移動も広く対象として含めることとした。

 以下に、今回の記号表記法の辞書とも言うべき記号リストを示す。

 

記号表記法の記号リスト

 

 

(3)自転車携行方法の分類

 新しい記号表記法を利用して、自転車携行方法を大きく3つの区分に分類してみた。その結果を以下に示す。また3区分の説明を表下方に示したので参考にしてほしい。

 

自転車携行方法の分類
リアキャリア有無に関する適性評価付き

 

 

1)単一拠点型

 単一拠点型とは、自宅から遠く離れた宿泊場所を拠点として、その周辺を日帰りでサイクリングする区分だ。宿泊場所を変えないので、1日1日のサイクリングは日帰りとなる。そのため、軽量なデイバッグだけで対応可能で、大きな荷物のためのリヤキャリアは不要と思われる。ただし、目的地への移動手段が電車の場合、駅から宿泊場所まで自走を想定すると、大きな宿泊荷物のためのリアキャリアが必要な場合もあり得る。

 単一拠点型の事例としては、サイクルイベントなどへの参加がある。例えば、私が2022年10月に参加した鳥取すごいライドの4泊5日の行程では、飛行機で鳥取コナン空港まで移動し、そのまま4泊5日の旅程で鳥取市に滞在した。この場合の記号表記は、CAC11B1B1CACと表すことができる。この記号表記の現地のCは軽レンタカーを利用した。

 

2)短期周遊型

 短期周遊型とは、自宅から遠く離れた宿泊場所への移動手段として飛行機または車を想定した区分だ。飛行機での輪行の場合は輪行ケースがかなり大きいために自走で輪行ケースを運ぶことは困難だ。また車で移動する場合には、サイクリング後に車に戻る必要がある。

 短期周遊型は、周遊形式で自転車で自走した後に最初の宿泊場所に戻ってくる区分で、輪行ケースまたは車を最初の宿泊場所に預けておくことによって、輪行ケースや車の保管の問題を解決する方法だ。

 この区分の私の事例としては、2010年7月に行ったオーストリアザルツカンマーグートのサイクリング周遊がある。このときは、最初に宿泊したザルツブルクのホテルに輪行ケースや海外旅行用スーツケースを預けて、3泊4日の行程でザルツカンマーグートのサイクリング周遊した後、最初に宿泊したホテルに戻った。この事例の行程表を下表に示す。また記号表記は、CAC11BTB2B3B4B11CACとなる。この記号表記の現地のCは、ワゴンタクシーだ。

 

ザルツカンマーグート行程表

 

3)ツーリング型

 この区分は、一般的に言うところの電車輪行を含むが、すべて自走で移動して帰宅する方法も含めてツーリング型という区分とした。

 この区分で大きな宿泊荷物がある場合は、リアキャリアが無いと相当な困難を伴うと推定される。ただし、暖かい季節で宿泊荷物が軽量化できる場合には、軽量のデイバッグで宿泊荷物が対応出来ると思われる。ただし残念ながら、私はとてもやれそうにはないので、私にはリヤキャリア必須と考えている。

 

(4)記号表記法のまとめ

 今回新たに提案した「記号表記法」の特長を、以下にまとめておく。

 ・自転車携行の旅程を分類するのに、効果的である。

 ・自転車携行の観点で、全体の旅程を網羅的に表記・計画できる。

 ・自転車旅行の計画確認のためのチェックツールとして有効である。

 ・記号表記法を利用した自転車携行の分類は自転車選びにも有効である。

  読者の方々で、「記号表記法」に関心のある方は、是非ともを使ってみて、感想や意見をコメント頂けると大変ありがたい。

 

(5)カラクルCOZの購入検討結果

 そもそもの「記号表記法」開発のきっかけとなったカラクルCOZ購入検討について、最後に述べておく。カラクルCOZは、カーボンフレームでリアキャリア用のダボ穴もないことから、リアキャリア装着を想定した設計では無い。さりながら簡易的なリアキャリアは装着できる可能性はあるが、私の場合大きな宿泊荷物となるため、その場合の安全性を考慮すると、リアキャリアは装着できないと考えた方が良さそうだ。

 リアキャリアの無い自転車の場合、(3)で検討したように、単一拠点型では良いと思われるが、短期周遊型またはツーリング型にはあまり向いていない。

 今回のこのような検討結果に基づくと、カラクルCOZのような超軽量の折りたたみ自転車を導入した場合に、私が期待するツーリング型利用形態では、デイバッグで背負える範囲のツーリングに限定されてしまうため、少し使いにくいことが分かった。

 したがって、私に合った折りたたみ自転車としては、リアキャリアが確実に装着できてかつ出来る限り軽量ということになりそうだ。

 

伊東祐親ゆかりの地を訪ねて

 前回記事では、伊東温泉旅行でのサイクリング、特にしとどの窟ヒルクライムについて報告した。そのサイクリング後に、去年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」にも出てきた伊東祐親ゆかりの地を訪ねたので、本記事で報告する。伊東祐親は、伊東を本拠地として、伊豆に流された源頼朝の監視役の立場だった平家側の武士である。

 

(1)物見塚公園(2023/4/12)

 物見塚公園に、伊東祐親の像があるというので行ってみた。伊東市役所の正面玄関の前の小高い丘にこの公園は位置している。市役所の真ん前に伊東祐親の像があるということに、地元の方々の伊東祐親への敬愛が感じられる。

 物見塚公園は伊東家館跡らしいが、そうすると伊東市役所全体が伊東家館跡に建っている可能性が高い。そうだとすると、800年以上前からの伊東のリーダの居場所が変わらないというのは何気に面白い。

 

伊東祐親の像(背景のガラス張り建物が伊東市役所)

 

 

(2)伊東家の墓(2023/4/12)

 伊東家の墓がある最誓寺は、旧135号線が大きく湾曲している場所に建っており、門を入ると直ぐ左に伊東家の墓がある。

 最誓寺は伊東家の本来の菩提寺ではない。伊東祐親は、頼朝と八重姫と間にできた千鶴丸(祐親にとっては孫)を殺してしまうのだが、その千鶴丸の菩提を弔うために建立された寺が最誓寺(建立当時は西成寺と称した)だ。この最誓寺の裏には、頼朝と八重姫が逢瀬を重ねたという音無し神社がある。

 

伊東家の墓(最誓寺にて)

 

(3)伊東祐親の墓

 伊東祐親の墓は、伊東家の墓のある最誓寺から南東に約500mの住宅街の中にある。15m角程度の広さしかないが、きちんと清掃されて管理されている。

 平家と源氏の狭間で葛藤した伊東祐親は、結局自害に追い込まれる悲しい運命だが、この伊東の人たちに愛されているなと感じたひとときだった。

 

伊東祐親の墓

 

しとどの窟ヒルクライム

 今年4月13日に卒寿となる義母のために、卒寿ツアーと称して義母を含めた4人で伊東温泉に2泊3日(2023/4/11~13)の旅をした。私と妻は車で東京から伊東に移動したのだが、折角の機会なので車に自転車を積みこみ、私はこの機会を利用してサイクリングすることにした。今回は、そのサイクリングについて報告する。

 

(1)しとどの窟(いわや)ヒルクライム(2023/4/12)

 「しとどの窟」とは、源頼朝石橋山の戦いに敗れた後、一時隠れていた岩屋で、湯河原と大観山を結ぶ「椿ライン(県道75号線)」の途中にある。NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では、しとどの窟に隠れていた源頼朝(大泉洋)に梶原景時(中村獅童)が気づいたのだが、わざと見逃して助けるシーンがあった。

 今回のヒルクライムは、湯河原のセブンイレブンを出発し、川沿いの県道75号線に沿って登り、奥湯河原バス停で右折して椿ライン(県道75号線)に入って、しとどの窟バス停(椿台)まで登るルートだ。このヒルクライムルートは、今回使ったサイコン(BrytonRider750)計測で獲得標高592m(平均勾配約6%)だが、上り坂が淡々と続き平坦な部分がないため、数字以上に辛かった印象がある。

 今回のヒルクライムコースは、新たに「しとどの窟ヒルクライム」という名前で、Ride with GPS ルートと、STRAVAセグメントに公開設定したので、興味のある方はチャレンジしてみてほしい。

しとどの窟ヒルクライムルート
(Ride with GPS利用Googleマップ表示)
D=11.45km、T=1h4m32s、H=592m(Rider750計測)

 

 しとどの窟バス停(バスは現在運休中)からしとどの窟までは徒歩で600m程度だが、狭くて急な下り坂なので、サイクルシューズだと滑りそうな感じがしてかなり怖い思いをした。実際のしとどの窟は、予想よりも奥行きが浅く、雨露はしのげるが、敵に見つかったら終わりというレイアウトだ。

 ここに源頼朝が隠れていたときに、地元の豪族である土肥実平(どいさねひら)とその妻が源頼朝を支えたことが「源頼朝としとどの岩屋の由来」と題する看板に記載してあった。土肥実平は湯河原付近を本拠とする豪族で地元の人に愛されているようで、湯河原駅前に銅像が建てられている。

しとどの窟

 

(2)東伊豆サイクリング(しとどの窟~伊東)

 しとどの窟でランチ休憩の後、しとどの窟から湯河原までダウンヒルし、その後伊東まで135号線に沿ってサイクリングした。湯河原から熱海までの区間は熱海ビーチラインの海側ルートを走れると快適なのだが、自転車が通行不可とのことで、残念ながら135号線の山側ルートを走った。また岬をショートカットするトンネルは、出来る限りトンネルを避けて、岬を遠回りするルートを走行した。

東伊豆サイクリングルート
(Ride with GPS利用グーグルマップ表示)
D=40.28km、T=1h50m16s、H=360m(Rider750計測)

 

 熱海で、貫一お宮の像があったので、記念撮影した。熱海を全国的に有名にした尾崎紅葉の小説「金色夜叉」の名場面を再現するこの像は、今でも熱海市のシンボルになっているようだ。

 この後、伊東市を観光したのだが、それについては、別途報告しようと思う。

 

貫一お宮の像

 

東京観光ボランティアへの挑戦

 年度末(2~3月)が忙しかったため、前回記事を投稿してから2ヶ月が経過してしまった。今回は、去年11月から活動開始した東京観光ボランティアについて、紹介する。

 

(1)活動開始までの経緯

 東京都観光ボランティアへの応募申込は、実は4年前の2019年に申請して、東京都観光ボランティアとして登録され2020年から活動予定だった。しかしながら、2020年からのコロナの影響でボランティア活動が中止となったため、これまで私は1回も活動したことが無かった。

 ところがコロナの収束に伴い、東京都は2022年11月からの東京都観光ボランティアの活動再開を決めた。そのため、私は2022年11月12日に初めて東京都観光ボランティアとして、原宿駅周辺で街なか観光案内を行うことが出来た。

 

ボランティアユニフォームを着た筆者
(2022/11/12、東京都観光ボランティア 原宿控え所にて)

 

(2)東京都観光ボランティアとしての活動について

 東京都観光ボランティアには、ツアーガイドや都庁展望室での活動の他に、私の担当する「街なか観光案内」がある。街なか観光案内とは、東京の街なかで外国人旅行者に声をかけて観光案内するボランティアで、週末(金、土、日)に活動している。

 下表は、私の活動実績だ。去年11月から既に14回活動した。実際に活動してみると、まだまだ自分の英語力や街なか知識が足りなさを実感する。これからも勉強する必要がありそうだ。その勉強で面白いネタを発見することがあれば、このブログでも紹介しようと思う。

 街なか観光案内は、街なか(渋谷や東京駅等)の駅近くの公道で、週末の10:30~16時に活動している。もしも街なかで、東京都観光ボランティアを見かけたら声をかけてみてほしい。日本人旅行者へもちゃんと対応しますからね!!

 

活動実績(~2023/4/10)

 

「自転車の転がり抵抗」ベストアンサーへの対応

1.はじめに

 本ブログは、今からちょうど3年前の2020年2月、ウェブリブログで開始した。きっかけは、「何故自転車は速いのか」という素朴な疑問への検討結果の発表の場がほしかったからだ。その関連記事と概要を以下に示す。

No
記事タイトルと概要
1

自転車は最速の人力移動手段

自転車が人力移動の最速であることを、スポーツ記録により紹介

2

何故自転車は速いのか? 自転車の車輪の転がり抵抗について-1

モデル計算により、自転車の転がり抵抗係数の近似式を導出

3

何故自転車は速いのか? 自転車の車輪の転がり抵抗について-2

自転車の転がり抵抗によるパワーロスの近似式を導出

5

自転車の転がり抵抗の補足 -反発係数と力の関係-

ボール落下時、ボールを押しつぶす力のe倍が反発力であることを証明

 

(2)転がり抵抗係数の検討(記事2より抜粋)

 上記リストのうち、記事2「自転車の転がり抵抗について-1」は、転がり抵抗係数の近似式を導出した記事だが、アクセス件数が多く人気のある記事だ。以下に概要を示す。

 検討は、下図に示す車輪モデルだ。図中のゴムタイヤは、車重により変形しているが、進行方向に向かって前半分(赤色領域)は走行により押しつぶされる領域で転がり抵抗成分の抗力N1が発生している領域だ。後半分(青色領域)は、ゴムタイヤによる反発力N2によりタイヤの回転を増強して転がり抵抗を相殺する領域となる。もしもN1=N2ならば、転がり抵抗ゼロとなるが、実際にはN1>N2となり、転がり抵抗が発生する。

 詳細は記事2に譲るが、結論として、転がり抵抗係数Crrは(6)式で表される。

 (6)式により、転がり抵抗係数Crrは、Lに比例して大きくなることが分かる。Lとは、タイヤが車重により潰される領域の長さである。タイヤ幅が大きい場合と小さな場合を比較すると、空気圧が同じであればタイヤが押しつぶされる面積は同じだが、長さLはタイヤ幅が小さい程長くなる。具体的には、23cと25cを比較すると、Lは5%程度23cの方が長くなるため、(6)式により23cは25cに比べて、5%程度転がり抵抗が増加することが分かる。

 近年25cや28cのやや太めのタイヤが主流だが、(6)式は転がり抵抗という観点でも有利なことを示しており、矛盾のない結果となっている。

 

(3)Yahoo!知恵袋のベストアンサー

 上述の記事2は、私のブログ中アクセス数1位(平均76件/月、2020年2月~2022年4月)で、トップページの平均アクセス数(55件/月)よりも多い。

 トップページよりもアクセス数が多いということは、著名なサイトで直リンクが張られている可能性が高いと考えて、グーグルのアナリティクスを使って調べてみると、Yahoo!知恵袋に直リンクが張られている可能性があることが分かった。

 実際にYahoo!知恵袋を調べると、以下の様な質問のやりとりがあり、私のブログが何とベストアンサーで引用されていた! ベストアンサーで引用されるのは著者にとって非常に名誉なことではあるが、後述するように問題もあった。

 以下に、Yaoo!知恵袋の当該部分を引用する。最後のURLが私ウェブリブログの記事2のURLだ。ただし、現在はウェブリブログが廃止されているので、本はてなブログの「マイペースチャリダーが行く」トップページにリダイレクト転送される。

 

-----Yahoo!知恵袋より引用 始め-----

haa********さんの質問 2021/6/17 17:57 

ロードバイクの転がり抵抗について 23cと25cの比較においての話です。 空気圧が同じ場合、

①ライダーが同じであれば、タイヤの変形量自体の大きさは同じで、合ってますか?

②細いタイヤの方が横に広がれない分、縦に接地面積が大きくなるのは分かります。

でも、接地面積が、横に広いか、縦に広いかの違いで、接地面積自体は同じですよね。 何故、縦に変形量が多いと(接地面積が広くなると)転がり抵抗が大きくなるのでしょうか?

 

tak********さん ベストアンサー

-----Yahoo!知恵袋より引用 終わり-----

 

(4)Yahoo! JAPANとの交渉

 Yahoo!知恵袋の直リングが判明した2022年5月頃は、ウェブリブログから、はてなブログへのブログ引っ越し作業の真っ最中だった。ウェブリブログは2023年1月末に閉鎖されるため、ウェブリブログからの引っ越し作業は急務だ。その引っ越し作業は2022年5月22日に完了し、この日を境にして、はてなブログが私のメインブログサイトとなった。→ブログ移行記事参照

 2023年1月末に私のウェブリブログは削除されるので、Yahoo!知恵袋のベストアンサーの直リンクはリンク切れとなってしまう可能性がある。そのリンク切れを回避するため、2022年11月、私はYahoo!知恵袋に問合せフォームを使って、以下2点のいずれかの対応の依頼した。

  • ベストアンサーの引用URLを、移行したはてなブログの新しいURLへ変更
  • ベストアンサーは変更せずに、注釈を付して、新しいURLへ誘導する

 上記対応要請に対して、Yahoo! JAPANカスタマーサービスの回答概要は次の通り。

  • 投稿時は問題なく表示されたURLが、後日閲覧できなくなる状況はやむを得ない
  • 利用者が行った投稿を、あとからYahoo! JAPANが編集・追記することは出来ない

 サイト管理者といえども利用者の投稿(ベストアンサー)は変更出来ないと言われれば、これ以上サイト管理者に要請しても無駄なので、自分なりの対策することにした。

 

(5)自分なりの対策

1)リンク切れへの対応

 Yahoo! JAPANのベストアンサーに張られた直リンクがリンク切れにならないように、2022年12月にウェブリブログのリダイレクト転送設定した。これで、リンク切れは回避出来る。

 しかし、ウェブリブログからのリダイレクト転送は、転送先のトップページへの転送に限定されており、目的のブログ記事までは到達しないため、追加で以下を行った。

2)ブログトップページからの誘導

 ブログトップページから、ベストアンサーで直リンクされていた記事2「自転車の車輪の転がり抵抗について-1」への誘導策を検討した。

 対象の記事2「自転車の車輪の転がり抵抗について-1」は、3年前の記事で、ブログの一番深いところに格納されている。そのため、通常の読者がトップページからリーチするには、ブログ内キーワード検索するしかなく面倒だ。そこで、トップページから、「自転車の車輪の転がり抵抗について-1」に直リンクを張ることにした。

 具体的には、はてなブログの管理画面から、「デザイン」の「カスタマイズ」を選択し、「ヘッダ」を選択すると、「ブログタイトル下」にHTMLを記述できる欄があるので、それを利用することにした。具体的には、以下の文言をヘッダ下部に表示することが出来た。

「自転車の車輪の転がり抵抗について-1」はこちら

 Yahoo!知恵袋のベストアンサーのURLをクリックした人のうち、何人がブログトップページのヘッダ下部の直リンクに気づいて、記事2にリーチするかは分からないが、何もやらないよりはマシだ。

 

(6)最後に

 今回の対策をまとめると、以下の3点となる。

  1)リダイレクト転送サービスで、はてなブログトップページへ転送する

  2)はてなブログトップページの直リンクアイコンで、記事2へ誘導する

  3)今回の対応を公表して、説明責任を果たす(本記事)

 ブロガーを長年やっていれば、今回のようなリンク切れ対応など、ありそうな「あるある」問題とは思うが、本記事が何かの参考になれば幸いである。最後まで長文にお付き合い頂いた読者のみなさま、ありがとうございました。

Aero Comfort3.0のすすめ

 前回記事では、自転車輸送方法と距離の関係について検討した。今回は、私の一押しの自転車輸送方法である「飛行機+レンタカー」で非常に有効なSCICON社製のAero Comfort3.0について紹介する。

 

(1)購入動機

 AeroComfort3.0を購入するまでは、私は段ボール箱を利用して飛行機輪行していた。しかしながら私が退職して頻繁に国内ライドに参加できる状況となった2018年以降は、使い捨て段ボールに代えて継続利用可能な、AeroComfort3.0を購入することとした。

注:今回ご紹介するAeroComfortは、2018年製AeroComfortプラス3.0です。現在販売されているものと、基本的な構造は変わらないと考えています。

 

(2)利用方法

1)飛行機輪行スタイル

 下図に飛行機輪行スタイルを示す。AeroComfortは立てた状態の移動が好ましいので、空港までの移動はバンが基本だ。羽田空港へはマイカーのミニバン(フリード)で移動するが、目的地の最寄りの空港からはレンタカーを利用する。レンタカーはミニバンでも良いが、私は費用節約のため軽バンを利用している。

 

 

2)レンタカー選び

 ここでのポイントは、レンタカー選びだ。たまたまレンタカーの荷室が小さいと、Aero Comfort3.0の搭載に苦労する。参考までに、これまで利用した軽バンの荷室写真を以下に示す。

 

ホンダN-box
N-Boxは、荷室の高さと長さも十分あるので、このように完成車も余裕で縦置きできる。走行中に自転車がばたつかないように紐で縛るのも重要だ。

 

 

 

日産ROOX
ROOXは、荷室の高さは十分あるので、AeroComfort3.0を問題なく立て積み出来る。完成車も立て積み可能だが、荷室の対角線上に搭載する必要があるかもしれない。

 

 

スズキ ワゴンR
ワゴンRは、荷室高さが十分でないため、Aero Comfort3.0の搭載にかなり苦労した。具体的には、この写真に示すように助手席を前方に移動して後部座席と助手席の間に出来たスキマにAero Comfort3.0のキャスターを入れるという方法で、何とか搭載出来た。

 

3)ベストのレンタカーは?

 これまでの利用実績を以下にまとめておく。レンタカーの私の個人的な評価は、ミニバンのシェンタは別格として、軽バンはN-boxがベストで、ROOXやタントも荷室が大きいので問題は無い。ワゴンRは何とか使えるものの、出来れば避けたい車種だ。

 

(3)構成・使い方

 以下にAeroComfort3.0の構成と使い方を簡単に説明する。

1)AeroComfort3.0の構成

 上の写真はAeroComfort3.0のチャックを開けて開いた状態だ。フロントエンド固定軸とリアエンド固定軸には、それぞれフロントフォークとシートステーをクイックリリース(QRと略す)で取り付けて、自転車を固定する。外した車輪は、両側の車輪収納ポケットに収納する。赤いベルトは、自転車の固定補強のベルトだ。

2)使い方

 

 

フロントエンド固定
 AeroComfort3.0に付属するQRを用いてAeroComfortのフレームにがっちり固定する。

 

 

リアエンド固定
 リアエンドもQRでがっちり固定。同時取付けのプロテクターでリアディレイラーをガードする。
 リアエンド固定軸にチェーンたるみ防止ゴムがあるが私は使わない。私の場合、これを使うとリアディレイラー角度が垂直になり、リアディレイラーがベースと干渉してリアエンドが固定できなくなるからだ。

 

保護具装着とバンド固定
 トップチューブやハンドルバーの保護具を装着。また赤い固定用バンドで自転車とAeroComfort3.0の固定を補強する。

 

 

 

自転車梱包完了
 自転車梱包の完了状態。大きさは、3辺合計約263cm(W50cmXH93cmXD120cm)だ。中型ジェット機以上ならば預け荷物で搭載可能だ。ただし、プロペラ機への搭載は難しい。

 

 

(4)ミニ改良

 私がAeroComfortをこれまで6回利用した経験上、リアエンド固定軸やフロントエンド固定軸に関するトラブルが数回あった。そのトラブル解消のため、今回ミニ改良を行ったので、以下に紹介する。

 

1)トラブルの背景 固定軸とQRアダプタ

 下の写真は、リアエンド固定軸の外観だ。リアエンド固定軸とフロントエンド固定軸は、スルーアクスル対応となっており、内径12mmパイプにQR変換アダプター(以下QRアダプタと略す)が挿入された状態になっている。すなわち、QRアダプタを外せば、スルーアクスルの自転車が取付け可能になる設計で、私の自転車はクイックリリース装着タイプなので、QRアダプタを固定軸に差し込んで使用している。

 

2)トラブルについて

 以下の断面図に示すように、アルミ製のQRアダプタは、内径12mmの固定軸内部に差し込まれていて、Oリングで固定軸に固定されている。

 トラブルは、何かの拍子でこのQRアダプタが内部に押し込まれてしまうことだ。そうなるとクイックリリースを利用した自転車固定が出来ないため、宿泊先のホテルで工具等を借りて、QRアダプタをつまみ出して、QRアダプタを正しい位置に戻す必要があった。旅先は適切な工具が無いこともあり、QRアダプタを元に戻すのに苦労した。

 

3)ミニ改良

 このようなQRアダプタの固定軸内部への押し込まれを防止するため、2つのQRアダプタの間にパイプ型スペーサを挿入するミニ改良を実施した。以下の図に示すように、適切な長さのスペーサをQRアダプタの間に挿入して、QRアダプタの押し込まれを防止する。

 

 下の写真は、QRアダプタとパイプ型スペーサの外観だ。パイプ型スペーサは、ステンレスパイプ(外径9.5mm、内径8mm)を40mmと70mmにカットして製作し、各々をフロントエンド固定軸とリアエンド固定軸に挿入した。

 

(5)Oリング破損とその対応

 本ブログ執筆中、QRアダプタを固定軸から外す際に、実はOリングを破損させてしまった。QRアダプタを固定軸から外す場合は回転しながら少しずつ外すのがポイントのようで、回転させずに強引にQRアダプタを引き抜くとOリングが破損しやすいようだ。

 QRアダプタは、SCICONの欧州向けオプション部品とWEB掲載されているので、何とか購入できるかもしれないが、今回は互換性のあるOリングを国内で探すことにした。

 以下に、試してみたOリングの型番と結果を示す。結論的には、マスオカ製Oリング型番P-9が最もきっちりと固定できた。もしもOリングの替えが無くて困っている方は、国内の互換性Oリングは値段も安いので、下表を参考にしてほしい。

 

(6)終わりに

 最後まで根気よく長文記事をお読み頂いた読者のみなさまに、まずは感謝します。当初はミニ改良だけの記事を書くつもりだったのだが、いきなりミニ改良だけを書いても意味が分からないと言うことになり、記事が長くなってしまった。

 最後のまとめとして、Aero Comfort3.0の特長と欠点を以下に示す。いろいろと欠点もあるが、飛行機輪行の場合、レンタカーと組み合わせれば、スムーズにライドに参加できるので、私個人的には一押しの輪行バッグである。

 

1)特長

  1)自転車を金属製のパイプフレームにがっちり固定できる。

  2)車輪以外の自転車部品を外す必要が無い。

  3)キャスター付きなので、スムーズに移動できる。

  4)内部に余裕があるので、サイクルシューズやヘルメット等が収納可能。

  5)部品保護が充実(ディレイラー保護金具、フレームやハンドルの保護具等)

 

2)欠点

  1)高価である。

  2)3辺合計が260cm程度と大きいので、移動に荷室の大きな車が必要。

  3)空港のX線検査機は通らないので、目視検査のため早めのチェックイン必要。