前回記事では、伊東温泉旅行でのサイクリング、特にしとどの窟ヒルクライムについて報告した。そのサイクリング後に、去年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」にも出てきた伊東祐親ゆかりの地を訪ねたので、本記事で報告する。伊東祐親は、伊東を本拠地として、伊豆に流された源頼朝の監視役の立場だった平家側の武士である。
(1)物見塚公園(2023/4/12)
物見塚公園に、伊東祐親の像があるというので行ってみた。伊東市役所の正面玄関の前の小高い丘にこの公園は位置している。市役所の真ん前に伊東祐親の像があるということに、地元の方々の伊東祐親への敬愛が感じられる。
物見塚公園は伊東家館跡らしいが、そうすると伊東市役所全体が伊東家館跡に建っている可能性が高い。そうだとすると、800年以上前からの伊東のリーダの居場所が変わらないというのは何気に面白い。
(2)伊東家の墓(2023/4/12)
伊東家の墓がある最誓寺は、旧135号線が大きく湾曲している場所に建っており、門を入ると直ぐ左に伊東家の墓がある。
最誓寺は伊東家の本来の菩提寺ではない。伊東祐親は、頼朝と八重姫と間にできた千鶴丸(祐親にとっては孫)を殺してしまうのだが、その千鶴丸の菩提を弔うために建立された寺が最誓寺(建立当時は西成寺と称した)だ。この最誓寺の裏には、頼朝と八重姫が逢瀬を重ねたという音無し神社がある。
(3)伊東祐親の墓
伊東祐親の墓は、伊東家の墓のある最誓寺から南東に約500mの住宅街の中にある。15m角程度の広さしかないが、きちんと清掃されて管理されている。
平家と源氏の狭間で葛藤した伊東祐親は、結局自害に追い込まれる悲しい運命だが、この伊東の人たちに愛されているなと感じたひとときだった。