私は2023年9月にちょうど70歳になったのを記念して、ホノルルセンチェリーライド2023を走ったことは、過去記事で紹介した。今回の記事では、70歳台シニアサイクリストとして、私が考えたサイクリングを継続するためのポイント「TGK」について紹介しようと思う。
(0)はじめに
私が60歳台のころは、体力の衰えが顕著になる70歳になったらサイクリングを止めてジョギングやマラソン等のランニング系への趣味の移行を思い描いていた。
しかしながら、絶対続けるべきという友人のアドバイスもあり、またランニングは膝への負担がかかるという負の側面も分かるにつれて、70歳台もサイクリングを継続しようという気持ちになってきた。
そこで、70歳台もサイクリングを継続するにあたって、自戒もこめて、サイクリング継続のためのポイント「TGK」を考えてみたので、以下に紹介する。
(1)"T"「楽しく」
Tは「楽しく」を追求するということだ。
私の場合、サイクルイベントやサイクルトレーニングでは、必ず自分にご褒美を準備することにしている。サイクルイベントで遠征するならば、必ずイベント会場近くの旅館やホテルで前泊・後泊分を予約する。絶対に駐車場の車中泊は避けたい。また自走でイベント地まで移動するのも体力消耗するので、主に飛行機とレンタカーを利用して移動する。とにかくイベント以外については、自分に甘くして、快適かつ楽しいサイクリングイベントとする。
ZWIFTを用いた自宅でのサイクリングトレーニングだったら、その後は必ずホットミルクと甘い御菓子を食べてお風呂に入るようなプログラムとする。
私は、自分の脳にサイクリング=楽しいという感覚を埋め込むことが非常に重要と思っている。些細なことだが、サイクリングジャージを選ぶにしても少しでも心躍る、テンションが上がる色やデザインのものを着たり選んだりする。
またコース選定についても、むやみに長距離や獲得標高の高いコースは選択せず、自分の実力に見合った楽しめるコースを選定した方が、私はやる気が出る。
結局「楽しく」というのは、自分のサイクリングを継続する気力を維持するための方法論なので、どんなに些細な事でも、自分の気持ちが上がる方向を選択していくと言うのが大事だ。
(2)"G"「がんばらない」
70歳以降は「がんばらない」が特に重要と思う。多くのサイクリストはストイックに自分を追い込んでがんばってしまう人が多いが、70歳を超えてくると、確実に体力的に衰えてくるので、むやみにがんばるのは禁物だ。
私が「マイペースチャリダー」と称して、他人との競争には無関心でいようとする立場で、これまでサイクリングに取り組んできた。例えば、順位は気にせず、完走のみを目的として、先頭集団を走るなどは全く考えないようにしている。
しかしながら、過去の自分との比較については、別で、自分のベストレコードとか過去の自分との比較については、大いに関心があると言っていい。しかしこれからは、過去の自分と競争するのやめて、70歳の自分の体力レベルを受け入れる事が重要と思っている。その体力の衰えを受け入れながら、出来る限り衰えないようにサイクリングで体力維持に努めるのが大事だ。70歳になっても、ベストレコードを更新するのは、無理があるし、辛いことではあるが、自分の立ち位置を認めていくのが重要と思っている。
少し話はそれるが、私の心房細動についても、完治は難しいと言うことが分かってきたので、この病気と共に生きることを覚悟している。
(3)"K"「けちらない」
趣味に使うお金については、ハードに金をかけたら、それと同等以上にソフトに金をかけるべきというのが、私のポリシーだ。
例えば、「最上級の自転車(ハード)は買ったが、ほとんど乗らないで使わなかった」などというのは論外だ。PCで言えば、ハード(PC)と同等くらいのソフトを購入すべきだし、オーディオで言えば、ハード機材(スピーカ等)と同等以上にソフト(CD等)にお金をかけるべきと思う。
自転車で言えば、ハード(自転車)と同等以上に、ソフト=サイクルイベントなどに参加するための遠征費用などにお金を使ってよいと思っている。もちろん、自分の財力の限界を超えて散財する必要はないが、可能な範囲でプチ贅沢を楽しんで良いと思う。私の場合、例えば、行った先でのグルメや観光を楽しむとか、記念ジャージを購入するとか、サイクルイベントの業者撮影の写真を購入するとか、ささやかな贅沢を楽しんでいる。
(4)先達の知恵
70歳サイクリストは何も私が初めてではない。そこで、先人の知恵に学ぶため、「長尾藤三」氏の「70歳のロードバイク」(文献1)という本を買って読んでみた。
この本の2章「レベルダウン講座」では、「必要以上にがんばらない」が説かれていた。また6章「70男が想うこと」では、「勝負にこだわらない、無理しない、気持ちいいなのレベル」というスポーツに対するスタンスが説かれている。
長尾氏の「がんばらない」「無理しない」は、私の「TGK」と整合した考え方なので、私の考え方がそんなに間違ってはいないことが確認出来て「やっぱりね」という感想だった。
(5)まとめ
今回記事では、70歳台シニアサイクリストとして、サイクリングを継続するためのポイント「TGK」を紹介した。考えてみると私が60歳台のときは、T「楽しく」とK「けちらない」を重視してきたが、70歳台になるとG「がんばらない」を追加することになった。これはあくまでも私のポイントなので、採用の是非はみなさまご自身で判断していただきたいと思う。以下にTGKの意味を再掲して締めくくりとする。
T=楽しく
G=がんばらない
K=けちらない
参考文献
(1)2011/11/18 長尾藤三著「70歳のロードバイク」