マイペースチャリダーが行く

ちょうど古稀を迎えた理系チャリダーのブログです。

「自転車の車輪の転がり抵抗について-1」はこちら

とびしま海道オレンジライドと呉・江田島観光

 今年2月4日に開催された「とびしまオレンジライド2024」に夫婦で参加した。サイクリングだけではもったいないので、呉と江田島も観光した。本記事は、それらについて紹介する。

 

(1)とびしまオレンジライド2024について

 とびしまオレンジライド2024では、私が「とびしま90km」に、妻は「オレンジ50km」にエントリーした。私のエントリーした「とびしま90km」は5つの島を飛び石の如く次々に渡るので、変化に富んだ風景が楽しめるコースだ。

 「とびしま90km」コースを以下のGoogleマップで示す。図中、①はAS1までのルート、②はAS2までのルート、③はAS3までのルート、④はゴールまでのルートをそれぞれ示している。コースは海岸線を走る平坦基調だ。ただし、橋へのアプローチは登りとなるため、獲得標高1057m(公表値)となっている。

 

 

(2)ライドを走ってみて

 「とびしま90km」は、やはり比較的平坦だった。また当日は曇っていたが、心配された雨が降らなかったので、走りやすかった。しかし前半は西側からの向かい風モードのため、スピードを出しにくかったものの、全体としては平均移動速度AMV(=停止時間を除いて計算した移動速度)23.5km/hという、まずまずの結果だった。

 

(3)ライド風景

 以下はライド前の集合写真。最前列中央の黄色いネクタイの人は、呉市長の新原様、その右側後方の青色ジャケットが筆者だ。(フォトクリエイト撮影)

 

 

スタート
(9:06 県民の浜)

9時開始のウェーブスタートで、私のスタートは9:06だった。写真中央の青色ジャケットが筆者だ。
(フォトクリエイト撮影)

 

 

 

蒲刈大橋(往路、9:25)
 スタート地点(県民の浜)のある上蒲刈島下蒲刈島の間の蒲刈大橋を走る風景。

 

 

 

 

 

 


豊島大橋付近(往路、10:49)
 豊島大橋を渡って大崎下島を走る筆者。
(フォトクリエイト撮影)

 

 

 

 

 

 

岡村大橋(往路、11:52)
(広島/愛媛の県境)

 岡村島に向かう岡村大橋の途中に、広島県愛媛県の県境がある。

 

 

 

 

 

 

岡村大橋(12:20)
 岡村島の一周途中で岡村大橋を撮影。のんびりした風景が広がっている。

 

 

 

 

 

 

御手洗地区の交番(12:39)
 大崎下島の歴史的建造物のある御手洗地区にあった交番。和風建築の交番は、堂々とした風格がある!

 

 

 

 

 

豊浜大橋(13:53)

 大崎下島と豊島を結ぶ豊浜大橋を南側から撮影。走っている時は何気ない橋だが、外から眺めると美しい。

 

 

豊島大橋(復路、13:53)
 この豊島大橋を渡って、上蒲刈島に渡ればゴールはもうすぐだ。

 

 

 

 

 

 

ゴール(14:04、88.2km)
 スタートした県民の浜に戻ってきて、思わずガッツポーズ!!
(フォトクリエイト撮影)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(4)走行まとめ

 とびしま海道オレンジライドのコースは、5つの島が橋でつながっていて、次々と変化に富んだ風景を楽しむことが出来た。ただし、途中でコンビニや売店がほとんどないので、コース途上の調達は期待できない。必要な補給食等は、島に渡る前に準備する必要がある。

 今回用いたサイコンは、BRYTON RiderS800だが、実際のとびしまライド時の設定が、何故だか誤まって室内バイクと設定されていたためにGPSデータが記録されなかった。そのため、時間データだけを採用して、距離データは、公式数値として平均速度や平均移動速度を算出した。以下に走行まとめを示す。

 

走行まとめ

 

(5)呉・江田島観光

5-1)輪行について

 今回の全体の日程表を以下に示す。輪行は飛行機とレンタカーだ。自転車はSCICON社製のエアロコンフォート(文献1)で梱包して、飛行機およびレンタカーに搭載して移動した。この輪行方法は、私が国内の遠距離の場合に特に好んで使っている方法だ。

 以下の黄色アミガケ表記は、輪行分類表記(文献2)だ。輪行方法を単純な記号で表記する方法で、私が提案した。関心のある方は、文献2を参照頂きたい。

日程表

 

5-2)現地写真いろいろ

 今回の旅行で、実は私がスマホを忘れるというハプニングがあった。原因は、羽田駐車場で自家用車からエアロコンフォートを車外に出す際に、スマホを荷室に落とした事に気づかなかったためだ。後日、羽田駐車場に駐車した自家用車からスマホが発見された。

 そのため、急遽セカンドスマホiPhoneを用いて、旅行中の連絡や写真撮影等をすることになった。このセカンドスマホは、本来はアップルウォッチのためにのみ利用するスマホで旅行バッグに入っていたのだが、その場しのぎには十分だった。

 それらの旅行写真を、以下に示す。

 


レンタカーの荷積み状況
(2/2 12:28)

 広島空港のニッポンレンタカーN-BOXを借りて、エアロコンフォートを荷室に積んだ状況だ。エアロコンフォートの荷崩れ防止のため、荷造り紐を使って取っ手に固定している。

 

 


穴子丼のランチ(2/2 12:57)
 山陽自動車道の小谷サービスエリアで食べた穴子丼のランチ。期待よりも穴子が小さかったが、まずまずだった。

 

 

 

 

 

 

潜水艦あきしお(2/2 15:50)
 海上自衛隊の呉資料館(てつのくじら館)の前にその迫力ある船体を見せている。

 当初私は模型と思っていたが、実物展示だった!今回は時間の関係で残念ながら見学出来なかったが、また機会があれば是非見学したい。

 

 

 

 

41cm主砲(2/2 15:56)
 こちらは呉市が運営する大和ミュージアムの屋外展示物の一つで、戦艦陸奥に搭載されていた主砲だ。砲弾の直径は41cmというが、砲身の根元の直径は1m以上ある巨大なものだ。

 

 

 

 

戦艦大和1/10模型
(2/2 16:12)

 大和ミュージアムの目玉展示の戦艦大和が、吹き抜け空間にどんと置かれていた。1/10でも全長26.3mだから迫力がある。

 

 

 

 

 

 

呉港の夕日(2/2 17:13)
 大和ミュージアムに隣接する呉港からの夕日がきれいだった。明日は、この呉港から江田島の小用港に向かう。

 

 

 

 

 

 

呉市のマンホール蓋
(2/2 17:34)

 大和ミュージアム近くで見つけたマンホール。このマンホールからは、戦艦大和への愛が伝わってくる。

 

 

 

 

海上自衛隊第1術科学校
幹部候補生学校校舎
(2/3 11:44)

 江田島には、海上自衛隊の訓練施設である第1術科学校があるので、見学した。写真は、幹部候補生の学校校舎で、遠くの玄関前に案内役の幹部候補生3人が立っている。手前は私を含む見学者だ。

 

 

 

松濤園と蒲刈大橋
(2/5 9:47)

 最終日(2/5)の午前中に、松濤園と蘭島閣美術館に行った。松濤園の石灯籠と蒲刈大橋が美しい。

 

 

 

 

 

 

 

蘭島閣美術館(2/5 9:48)
 蘭島閣美術館は、風格ある和風建築となっている。内部の絵画を見学した。

 

 

 

 

 

 

 

広島空港オイスターバー
(2/5 13:37)

 下蒲刈島からレンタカーで移動して広島空港に到着。羽田行きJALのチェックインを済ませて、遅い昼食をとった。牡蠣のポン酢で一杯。

 

 

 

 

(6)反省事項

 今回のライドと旅行では、スマホを忘れるハプニングやサイコンの誤設定があった。旅行にミスはつきものではあるものの、今後の反省と再発防止のため、反省点を以下にまとめておく。

(1)スマホは落下しやすいので、常にあるかどうかチェックする。また、落下する危険性が高い場合には、ズボンのポケットなど、より安全な収納場所に移動する。

(2)サイコンが室内モードになっている場合があるので、スタート前に電波の受信状況を確認する。

 

参考文献

[1]2023/1/22  当ブログ 「Aert Comfort3.0のすすめ」 

[2]2023/4/20 当ブログ 「輪行の分類と、記号表記法の提案」

MuSLX輪行で行く沼津・静岡サイクリング

 前記事(文献1)では、ダホンの折りたたみ自転車MuSLXの購入と整備について紹介した。今回は、実際にMuSLXで電車輪行して沼津・静岡を2泊3日でサイクリングしたので報告する。

 

(1)全体日程について

 今回のサイクリングのメインは、2日目の沼津から静岡までのサイクリングだ。1日目と3日目は電車輪行による移動が主で、残りの時間で観光するパターンだ。全体日程を以下に示す。

 今回のサイクリングを過去記事(文献2)で提案した「記号表記法」を用いて分類すると、分類=電車ツーリング型で、記号表記=BTB1B2BTBとなる。

 

(2)走行ルートと実際の走行について

 実際に走った2日目の沼津・静岡サイクリングのルートマップに以下に示す。KKR沼津はまゆうから、ホテルオーレイン静岡まで約82kmのルートだ。

 実際に走ってみると、海岸道は非常に風が強いため、自転車でまともにまっすぐに走れない場合もあり、防風林の内側の道を走る事も多かった。STRAVAによると、当日の風向きは西南西で時速36.8km/hとなっている。

 この駿河湾には千本松原と呼ばれる防風林があるくらいなので、よく考えれば風が強いことは予想できたことではあったが、今回の計画時にそのことを想定出来なかったことは反省事項だ。

 

 

 以下に、走行まとめを示す。停止時間を除いた走行時間で計算した平均移動速度(AMV)は14.8km/hであり、強風の影響もあり、平坦路としてはかなり低速となった。

 

(3)観光その他写真いろいろ

 

新幹線こだま車内
(1日目11:47)

 こだま721号名古屋行きに乗車。空いているので自由席車両の2座席を利用した。約30分の電車旅だ。

 

 

 

 

 

三島駅プラットフォーム
(1日目12:20)

 今回の全荷物だ。一番奥が自転車、中央のヘルメット付はメインバッグ。一番手前は、サイクリング時の細かい物を入れるサブバッグだ。このサブバッグは意外に重宝するので、背負ってサイクリングした。

 

 

 

「びゅーお」からの富士山
(1日目14:28)

 風が強いにもかかわらず、富士山頂の雲がなかなか無くならないので、もやもやしてしまった。

 

 

 

 

 

 

若山牧水歌碑
(1日目15;44)

 千本松原には、沼津ゆかりの歌人若山牧水の歌碑と記念館がある。
 「幾山河こえさりゆかば 寂しさのはてなむ國ぞ けふも旅ゆく」

 

 

 

 

KKR沼津はまゆうの夕日
(1日目16:30)

 1日目に宿泊したKKR沼津はまゆうからの夕日。
 KKR沼津はまゆうでは、部屋に自転車をそのまま持ち込むことが出来た。ラッキー!!

 

 

 

 

KKR沼津はまゆう正面玄関
(2日目9:42)

 いよいよこれから、サイクリングに出発するところだ。

 

 

 

 

 

 

千本松原付近の富士山 (2日目10:44)

 1日目同様、2日目も風が強い。前述したように、STRAVAで当日の天気を確認すると、風は西南西36.8km/hだった。強風のため、海岸沿道の走行を諦めて、防風林(松林)の裏側の道を走行することが多くなった。

 反対に風が強くて良かったことは、何とか前日の山頂雲が無くなって、きれいな富士山を見れたことだ。

 

ふじのくに田子の浦みなと公園
(2日目11:48)

 万葉集歌人山部赤人が詠んだ「田子の浦にうち出でて見れば白妙の 富士の高嶺に雪は降りつつ」の歌碑が建っている。

 

 

 

 

 

由比の開化亭で昼食
(2日目13:37、42.8km)

 予定より大分遅くなったが、2日目行程80kmのほぼ中間ポイントで昼食した。選んだメニューは、さくらえび丼(2300円)。

 

 

 

 

 

薩埵峠(2日目15:32)
 歌川広重東海道53次の浮世絵で有名な薩埵峠。薩埵峠へ登る東海道旧道は激坂(多分20%程度)だったので、迷わず自転車から降りて登った。

 

 

 

 

 

羽衣の松3代目
(2日目16:31)

 三保の松原の羽衣の松3代目とのこと。現地は多数の松があるため、これが羽衣の松と言われても、ちょっとありがたみが薄い。

 

 

 

 

 

 

三保の松原から見た富士山
2日目(16:34)

 ふと見上げると、きれいな富士山だった。ここから静岡まで、まだ少し距離(~17km)がある。

 

 

 

 

 

ホテルオーレイン静岡到着
(2日目18:00)

 ようやく18時にホテル到着。このホテルでは、部屋へ自転車を持ち込む条件は、自転車のカバーだが、折りたたみ自転車なので、難なくカバーして部屋に持ち込んだ。

 

 

 

 

駿府城址公園
(3日目10:58)

 3日目午前中は、静岡駅周辺を観光。写真は駿府城址公園の徳川家康公だ。

 

 

 

 

 

 

横浜駅 (3日目13:48)
 3日目のお昼頃、新幹線で静岡から新横浜まで輪行し、新横浜から自宅まで自走することにした。
 自走ルートは、鶴見川沿いに走った後、木月交差点で綱島街道に入り、丸子橋から中原街道を走るルートだ。

 

 

 

自宅マンション着
(3日目15:07)

 新横浜から自宅まで約16km走行し、15時頃に無事に帰宅。

 

 

 

 

 

 

(4)サイクリング後記とまとめ

 今回のサイクリングで、私は帰宅するまでは元気だったが、その後、急に39℃の高熱が出て体調が悪化したので、翌日に抗体キットでコロナで無いことを確認後、病院にかかったところ、泌尿器科で急性前立腺炎という診断をもらってしまった。その後、2-3週間で症状は収まり、現在は特に問題ない程度に回復している。

 今回の病気発症を踏まえて、今後、安全にサイクリングを継続するためには、電車輪行が、もっと楽に出来る工夫が必要と思う。電車輪行の場合、空いた車両に乗ろうとしてプラットフォーム先端まで移動するなど、意外に自転車をもって移動する距離が長いので、体力を消耗してしまう。

 もっと楽な電車輪行のツールとして、自転車を載せるキャスターの開発を考えている。実際の開発は、もう少し先になりそうだが、そのようなキャスター開発した場合は、このブログで紹介しようと思う。

 

(5)参考文献

(1)2024/2/19当ブログ「折りたたみ自転車MuSLXの購入と整備」

(2)2023/4/20当ブログ「輪行の分類と、記号表記法の提案」

折りたたみ自転車MuSLXの購入と整備

 私が持っている折りたたみ自転車ダホンSPEED P8は、購入から約15年経ち、車輪のふれ取りやギア調整が困難となり老朽化が目立ってきた。そのため、新しい折りたたみ自転車を探していたところ、ヤフオクで程度の良いダホンMuSLXの中古を見つけたので昨年(2023年)11月初めに購入した。

 

(1)MuSLXの購入(2023年11月初旬)

 MuSLX購入の目的は、普段使いのみならず、軽量の折りたたみ自転車の特性を活かして、電車輪行ツーリングを期待していた。MuSLXは8.6kgの軽量だが、2022年からはダホンからの供給がなく、現在では新品購入が難しい機種だ。そのため、ヤフオクで中古を買い求めた次第だ。

 中古購入したMuSLXは、前所有者が2021年6月に購入した2019年式モデルだ。前所有者はあまり乗らなかったようで、状態は非常に良かった。また自転車の受け取りも、都内在住の前所有者宅に、車で私が行って受け取ることが出来たので、すこぶるスムーズだった。前所有者に感謝!感謝!

 

譲渡されたMuSLX外観

 下の写真は譲渡されたMuSLXの外観だ。ほとんどオリジナルの状態だが、ベルとヘッドライトは前所有者が追加しており、またサイコンとワイヤー錠は、私が追加した。



(2)MuSLXの整備(11月中旬~下旬)

 電車輪行のツーリング用途では、リアキャリア装着などのカスタマイズが必要となってくる。そこで、装着した小物部品を以下のリストに示す。

 これらの小物部品の装着により、自転車重量は公称8.6kgから10.8kgに増加したが、いずれも必要なので仕方がない。この重量(10.8kg)で電車輪行が難しいかどうかは、11月末に予定している沼津・静岡輪行サイクリングで私が実際に電車輪行して確認することにした。

装着した部品リスト

部品名 機種名 装着理由ほか

リア

キャリア

RACK TIME FOLD IT 20 私のツーリングでは荷台が必須。この機種は20インチ用の軽量アルミ製で、搭載能力は25kg。文献1参照。
サドル SMP TRK LARGE 前立腺のため穴あきサドルに交換。文献2参照。
ハンドルグリップ ERGON GP4S オリジナルのハンドルグリップは長時間走行に不向きと思われるので、ERGONグリップに交換

テール

ランプ

CROPS 80JSRV トンネルの安全走行のため必要
サイコン BRYTON RiderS800 これまで利用していたRider750で最大自転車登録数3を超えたため、新規にRiderS800を導入

ボトル

ケージ

TOPEAK モジュラーケージⅡ このボトルケージは、高さを切り替えて、ペットボトルと自転車用ボトルの両方を装着出来るので私は愛用している

サドル

バッグ

RESTRAP-S

City Saddle Bag

輪行袋が入るサドルバッグを探して、これが何とか入るので利用することにした。
輪行袋

ダホン

SLIP BAG

電車輪行時、JR等は自転車のメカ部が完全に隠れることを要求しているので、輪行袋は必須アイテム
ワイヤー錠

PALMY

P-C8-180

このワイヤー錠は、ヘルメットの開口部に通して自転車とヘルメットを一緒にロック出来るので愛用している。

 

(3)リアキャリア等小物部品の取付状況

 リアキャリアは、RACK TIME FOLD IT20というドイツ製の輸入物だ。少し高価だが造りがしっかりしているし、20インチにぴったりするので採用した。文献1参照。

 以下に、リアキャリアを含めた、主な小物部品の取付について紹介する。

 

リアキャリアの仮組立

 支柱のアルミ棒の余分な部分を切り取る必要があるが、その長さを測るため仮組立した。

 

 

 

 

 

 

カット前のリアキャリア重量

 アルミ棒をカットする前に、リアキャリアの総重量を測定し、673gだった。

 

 

 

 

 

 

カット後のリアキャリア重量

 アルミ棒のカットで大幅な重量減を期待したが、わずか約40g程度の減量で、総重量は637gだった。

 

 

 

 

 

 

リアキャリアの本取付

 アルミ棒のカット後、本取付した。カットしたアルミ棒の端部は、リアキャリア付属のビニールキャップをかぶせた。

 

 

 

 

 

折りたたみ状況

 リアキャリア取付後に自転車が折りたためるか確認した。特に問題ない様子。

 

 

 

 

 

 

 

サドル(SMP-TRK-LARGE)

 文献2で紹介したが、私が、血液検査で前立腺ガンの血液マーカー(PSA)の数値が上昇した時、このサドルを使ったところ、正常値になった。それ以降愛用しているサドルだ。

 

 

 

 

ハンドルグリップ
(ERGON GP4S)

 オリジナルのハンドルグリップは細く頼りないので、長距離には不向きと判断し、このERGONグリップを採用。

 

 

 

 

 

テールランプ
(CROPS 80JSRV)

 夜間、暗くなると自動点灯するテールランプ。内蔵の充電池は太陽光で充電されるという優れ物だ。

 

 

 

 

 

ボトルケージ
(TOPEAK ボトルケージⅡ)

 ペットボトルと自転車用ボトルの両方とも装着出来るので私はこれを愛用している。

 

 

 

 

 

サドルバッグ
(RESTRAP-S)

 輪行袋を収納できるサドルバッグを探したところ、このブロンプトン用のサドルバッグが見つかった。
 本来は写真の2つのマジックテープでサドルレールに取り付けるが、脱着が難しいので、S環取付にしたところ、Very Goodだった。

 

 

CAT EYEライトブラケット
(センターフォークブラケット)

 ハンドルバーにスマホを取り付ける場所を確保するため、サイクルライトはセンターフォークに取り付けることにした。意外にしっかり取り付けられた。

 

 

 

 

 

(4)新横浜へ輪行テスト(2023/11/26)

 電車輪行のテストとして、試しに新横浜まで電車輪行を行ってみた。

自宅前を出発(10:01)

 以下は、出発前の自宅のマンション前の状況だ。リアキャリアには2泊3日を想定したバッグを何とか取り付けることが出来た。また私は道に迷いやすいので、サイコンに加えて、スマホホルダーも取り付けて、グーグルマップを確認出来る体制とした。


田園調布駅に到着(10:18)

 東急田園調布駅に到着した。個々で自転車を梱折りたたんで輪行袋に収納して輪行する。

 

 

 

 

 

 

 

折りたたみ後(10:29)

 自転車を折りたたんで、これから輪行袋(手前の黒い袋)に収納するところだ。

 

 

 

 

 

新横浜で自転車組み立て後(11:16)

 新横浜到着後、自転車を再度組み立てた。やはり自転車は重い。駅構内やプラットフォームでは、意外に横方向の移動距離が長いため、自転車を担ぎ、さらに宿泊用バッグをもつと、70才シニアにはちょっぴりハードだ。

 

新横浜を出発(11:21)

 自転車を組み立て後は、自転車で自走して自宅まで帰る。新横浜からの自走ルートは、最初は鶴見川沿いに出来る限り走行して、木月交差点で綱島街道に入って、丸子橋を渡って中原街道で帰るルートだ。

 

 

 

自宅マンション到着(12:37)

 無事に自宅マンションに到着。大きな問題は特に無かったので、3日後に、このスタイルで沼津・静岡の輪行サイクリングに行くことにした。

 

 

 

 

(5)まとめ

 本記事では、ダホンMuSLXの購入とその整備について紹介した。整備の結果、当初予想していたよりも自転車重量が重くなったものの、輪行テストでは、大きな問題は無かった。そこで次に、2泊3日の沼津・静岡サイクリングに行ったのだが、それについては、次回記事で紹介したい。

 

(6)参考文献

(1)2018/11/6ビチ・テルミニ記事「2019DAHON MuSLX納車整備いたしました」

(2)2020/6/11当ブログ「サイクリストが健康上で注意すべき3つのポイント」

自転車輪行で行くハワイ旅行2023

 前回記事でホノルルセンチェリーライド2023について報告してから4ヶ月経過した。遅ればせながら、本記事で自転車輪行やハワイ旅行を中心にして報告する。

 

(1)日程について

 今回の旅行は、私が個人旅行として手配したのだが、当初は妻と義母と私の3人がホノルル滞在6泊8日の計画で進めていた。ところがうれしいことに、出発の3週間前に子供2人が途中から3泊5日の行程で参加することになった。その日程表を以下に示す。
 子供2人の滞在は、日程表中のオレンジ色の矢印で示した期間だ。子供達を含めると総勢5人となり、ホテルの2部屋の定員4人を超えるため、エキストラベッド1台を借りることとして、女3人部屋と男2人部屋に分かれて宿泊した。
 主なハワイ観光としては、タンタラスの丘展望台(9/22)、マイタイバー(9/24)、ホテル歴史ツアー(9/25)、パールハーバーアリゾナ記念館(9/25)、ハワイのワイマナロビーチとヌアヌパリ展望台(9/27)だ。
 なお、日程表下方に記載した輪行の記号表記については、次節で説明する。

主な日程表

 宿泊したホテルは、ロイヤルハワイアンリゾート(別名ピンクパレス)だ。このホテルは、1927年創業のワイキキで3番目に古いホテルであり、クラシックな雰囲気があり、平成天皇や各国元首が利用してきたラグジュアリーホテルだ。
 実は10年前のハワイ旅行で、隣のシェラトンホテルに宿泊した際にロイヤルハワイアンリゾートのマイタイバーが気に入って、次は泊まろうと決めていたホテルだ。

ロイヤルハワイアンリゾート正面


(2)輪行について

 サイクルイベントへ参加する場合、どうしても輪行(=自転車の携行)が大きな問題となる。私が提案した輪行分類によると、今回の輪行区分は単一拠点型となる。

 単一拠点型とは、自宅から単一拠点への移動した後は、単一拠点をベースとして活動するタイプの輪行方法で、ホノルルセンチェリーライドの様なサイクルイベントに参加する場合に適した輪行方法だ。目的地への主な移動手段としては、車、電車、飛行機のいずれも利用可能だが、今回は海外なので当然ながら飛行機だ。今回のハワイ旅行の記号表記とその解説を以下に示す。

今回のハワイ旅行の輪行記号表記

 飛行機の場合、空港へのアプローチが重要だが、私は通常、車を利用する。今回は費用節減のため、自家用車を使いたいと考えたが、羽田の国際空港第3ターミナルに直結するP5駐車場の事前予約は極めて難しく、自家用車利用は断念せざるを得なかった。おまけに出発当日のワゴンタクシーの予約も困難だったため、割高だが自宅から羽田までは、ワゴンハイヤーで移動した。

 移動時の自転車ケースは、以前の記事で紹介したAeroComfort3.0だ。AeroComfort3.0を利用すると、前輪と後輪を外す必要があるものの、それ以外のディレイラー、ハンドル、サドル、ペダル等を外すことなく梱包出来るので、私は気に入っている。

SCICON社製 AeroComfort3.0外観

 

(3)旅行写真いろいろ

行きの飛行機内(2023/9/22)
 同行する90才の義母の健康と安全を考慮して、ちょっと贅沢だが、今回はビジネスクラスを利用した。写真の座席のテレビモニタの下には足を入れる細長い空間があり、身長173cmの私がほぼフラットで寝ることが出来る。

 

 

 


タンタラス展望台(9/22PM)
 オアフ島に着いた日の午後、ワイキキを見渡せるタンタラス展望台を訪れた。遠方にダイヤモンドヘッドがよく見える。

 

 

 

 

ホノルルセンチェリーライド2023 (9/24PM)
 センチェリーライド100マイルコースを無事完走。この写真撮影では、私は手指によるアロハポーズがなかなか出来ず、カメラマンを困らせてしまった。なお、センチェリーライドの詳細は、前回記事を参照。

 

オアフ島の自転車レーン(9/24PM)
 この写真はセンチェリーライド完走後、ホテルに戻るために運河沿いの道を自転車で走行した時の写真。
 一番右側の駐車レーンと左側の自動車走行レーンの間に、何と自転車レーンがある。ものすごく自転車にとって走りやすかったので、感激して記念撮影!!

 


マイタイバー(9/24夕方)
 センチェリーライド完走後は、ホテルのマイタイバーで夕食パーティだ。10年前にハワイに来た時、このマイタイバーのマイタイは本当においしかったので、今回も、このマイタイを飲むのを楽しみにしていた。乾杯!!

 

 




ロイヤルハワイアンリゾート
歴史ツアー(9/25AM)
 ロイヤルハワイアンリゾートは1927年開業でハワイで歴史あるホテルなので、歴史ツアーに参加した。このホテルは、開業当初から、ハワイに来たセレブをもてなしたという。日本の平成天皇を始め、世界中の賓客が訪れている。

 

 

 

 

 

 

アリゾナ記念館(9/25PM)
 かねてから行きたいと思っていたパールハーバーアリゾナ記念館だ。この施設は、沈没した戦艦アリゾナの真上に建てられた慰霊のための施設だ。

 

 

 

 

戦艦アリゾナ第3砲塔台座(9/25PM)
 アリゾナ記念館からは、海面から突き出した、アリゾナの第3砲塔の台座部分が見える。この第3砲塔はアリゾナの主砲の一つだ。

 

 

 

 

アリゾナ記念館の模型(9/25PM)
 船艦アリゾナアリゾナ記念館の位置関係を示した模型がミュージアムに展示されていた。この写真の第3砲塔は4つあった主砲の一つで船尾側に配置されていた。

 

 

 

ヌアヌパリ展望台(9/27PM)
 9/27は、ハワイ在住の妻の従兄弟夫婦が、車で我々を案内してくれた。車でドライブしながら、お昼にワイマナロビーチでピクニックした後に、このヌアヌパリ展望台を訪れた。この展望台は有名なカメハメハ大王がハワイ統一のための最終戦争で勝利した古戦場とのこと。山頂近くの風の通り道になっているらしく、ものすごく強い風が吹く展望台だった。

 

(4)終わりに

  下の写真は、ハワイの最終日一日前の夕方に撮影したワイキキだ。今回のハワイ旅行は終わりになるが、ハワイは、また来てみたいと思わせてくれる不思議な場所だ。また機会があれば、来ようと思う。

 

(5)履歴

2024/2/12 「自転車輪行で行くハワイ旅行2023」発行。

2024/2/13   スマホ表示の改善のため「(3)旅行写真いろいろ」の写真大きさ変更。

      「(3)旅行写真いろいろ」写真説明に軽微な修正。

ホノルルセンチェリーライド2023(修正版)

 先月9月24日に、ハワイのホノルルセンチェリーライド2023に参加した。実は10年前にも、還暦ツアーと称して、私の還暦を祝って家族でホノルルセンチェリーライドに参加したことがあった。その時は50マイルコースだったが、私が古希となった今回は100マイルコースに挑戦して、無事に完走出来たので、それについて報告する。

 また、ホノルルセンチェリーライドを機に、私の家族と共に楽しんだハワイ観光や輪行については、次回記事で報告する。

 

(1)コースについて

 コースは、基本的には10年前とほぼ変わっていない。スタート&ゴール地点がカピオラニパークで、100マイルはスワンジービーチパークで折り返し、50マイルはカイルアインターミディエイトスクールで折り返すコース設定だ。

 前回は家族4人の参加だったが、今回は私の単独参加なので自分の100マイルコース完走のみを目指せば良いので少し気楽だ。

 当日の夜明け(6:21)にカピオラニパークを出発して、どこでランチをとるかだが、私の脚力では、折り返し点の第4エイドのスワンジービーチパークで11時過ぎになると思うので、スワンジービーチパークでランチすることにした。エイドで十分な食材が得られないことも想定されるので、カロリーメイトを補給食として携行した。

 

(2)ライドを走ってみて

 今回のホノルルセンチェリーライドは、今年新設されたVIP枠でエントリーした。このVIPエントリーは、イベント2日前のレセプションやサイクルジャージ提供、優先スタート等のさまざまな特典があるので、エントリー料4万円(グローバルライド割引で32000円)は通常のエントリー料(19000円)に比べて決して高くない。むしろお得だ。

 100マイルコースは、特に大きな登りがあるわけでもなく、獲得標高も1094mと少ないので、平坦コースと言える。ただし北側ルートで、薬研坂のような登り返しがある下り坂が繰り返し出てくることがあり、それが「えっ、また!」というような心理的負担になった。

 当日の私の体調は、時差ぼけの影響で前夜に1~2時間程度しか寝れなかったこともあり、体は元気だが頭は眠たいという体調だった。そのため、完走出来るかどうかは不安だったが、結果的に、以下に示す様にゴール門限17時よりも1時間20分あまり余裕をもってゴール出来た。また、後半の区間速度も極端に遅くならずに走り抜けることが出来た。

 今後は、時差ぼけに弱い私の特性を十分考慮して、海外ライドの場合は、前広に現地入りすることを教訓としたい。

 

各エイドの到着・出発時刻まとめ






(3)ライド風景

 

 

スタート風景(0km、6:21)

 当日の夜明けに合わせて、6:21スタートだ。何とも合理的なスタート時刻だ!写真中、黄色矢印で示したライダーが筆者。

 

 

マカプウ展望台(26.3km、7:37)

 サンディビーチ(第1エイド)から10分程度走ったマカプウ展望台からの海岸風景だ。このような何気ない海岸が美しい。

 

クリオウオウの山並み(36.2km、8:00)

 ワイマナロビーチから少し山側の道から見たクリオウオウ森林保護区の山並みだ。特徴的な山肌の縦しわが面白い。

 

 

 

 

クアロア  リージョナルパーク
(74.3km、10:05)
 折り返し点のスワンジービーチパークの5km手前の公園だ。テレビコマーシャルに使いたくなる風景が広がっている。

 

 

 

スワンジービーチパーク
(79.3km、10:54)

 折り返し点のスワンジービーチパーク(第4エイド)からの海岸風景だ。ここでランチしたのだが、楽しみにしていたSPAMおにぎりは、何と売り切れ!青のりおにぎりと、梅干しおにぎりを食べた。少しくらいSPAMおにぎりを残しておいてほしかった!

 

 

シーライフパーク付近
(130.7km、14:00)

 この写真は、フォトレコという公認カメラマンが撮影した。どうも背景の島はマナナ島(俗称ラビット島)で、シーライフパーク付近での撮影のようだ。

 ところで、今回着用のサイクルジャージは10年前に参加した際に買い求めたホノルルセンチェリーライド2013の公式ジャージだ。

 

 

 

 

 

 

第6エイド ジェイムズ(140.8km、14:46)
 この第6エイド ジェイムズは、ゴール前の最後のエイドだ。

 各エイドでは熱中症対策として、必ずボトルにスポーツドリンクか純水のどちらかを補給して満タンとした。

 

 

 

ゴール直前(157.5km、15:36)
 ゴールでは、日本から来た息子と娘がゴールで出迎えてくれた。ありがたい!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴール直後(15:47)
 ゴール後、ダイヤモンドヘッドを背景に記念撮影。

 

 

 

 

 

 

100マイルコース 完走証
 ゴール後、ゼッケンと折り返し点でもらったシールを見せて完走証がもらえる。VIP枠は、完走証のラミネートが無料だ。真ん中のぼかし部分は、私の名前だ。

 

 

 

 

(4)ライドまとめ

1.ホノルルセンチェリーライド100マイルコースは。獲得標高が1100m程度と基本的に平坦なコースで、途中の景色も良いので、素直に楽しめるコースだ。

 

2.日本人にとっては海外ライドということもあり、時差ぼけ対策等の十分な対策や日程計画を準備すべきである。

 

 

(5)履歴

 2023/10/18 「ホノルルセンチェリーライド2023」発行。

 2023/12/30   記事更新。

  「ホノルルセンチェリーライド2023(修正版)」と改題。

   ゴール直前、ゴール直後の写真説明を一部修正。

何故、ヒルクライムは小柄、スプリントはマッチョか?

 7月中ずっとツール・ド・フランスを観戦していたので、私はちょっと寝不足気味だった。第1週からポガチャルとヴィンゲゴーのアタック合戦があり、息もつかせない展開だった。しかし3週目のTTで、ヴィンゲゴーが大きくリードしたのにはビックリした。とにかく約1ヶ月楽しませてもらったので、優勝したヴィンゲゴーを初めとする各選手に感謝したい。

 ところで、ツール・ド・フランスを見て思うのだが、総合系を含めたヒルクライム系選手とスプリント系選手の体形が全く異なっているのが気になる。ロードレースという一つの競技に、ヒルクライム系とスプリント系という全く異なる二つの人種がいて、前者は小柄で、後者はマッチョだ。

 そこで本記事では、何故、ヒルクライム系選手が小柄で、スプリント系選手がマッチョ・大柄なのかに関して、大胆な仮説と数式に基づいて説明を試みたので、報告する。

 本記事は長文かつ数式が多いので、それらが苦手な方は、(7)まとめだけでもご覧ください。

 

(1)縦断勾配とは

 右図は坂道でよく見かける勾配標識だ。そこで表示される勾配(%)は、道路の水平距離と高低差の比率なのか、それとも道路に沿って走った走行距離と高低差の比率のどちらなのか、以前からの私の疑問だった。

 勾配率を調べてみると、何と日本の法律「道路構造令」20条で、「縦断勾配」として規定されている。その「縦断勾配」の求め方は、日本道路協会の文献(1)図3-60で示されているように、水平距離と高低差の比率が勾配率と説明されている。

 

 すなわち、縦断勾配率Kは、以下の(1)式で表される。

 

(2)ヒルクライムに必要なパワー

 前節で縦断勾配率Kはtanθであることを示したが、θが小さいと仮定すると近似的にsinθ≒tanθとなることが知られている。その近似式を利用すると、縦断勾配率Kは、走行距離DRと垂直距離Hを用いて、以下(2)式で表される。

 

 上図で、走行距離DRを走行した場合の位置エネルギー増分Eは、質量m、重力加速度g、垂直距離Hを用いて、次のように表される。

 一方、パワーPsをヒルクライム位置エネルギーを獲得するための登坂抵抗パワーとすると、Psと時間Tの積が獲得した位置エネルギーEとなる。ここで、Vを速度(m/s)とすると、以下の(4)式が得られる。

(3)(4)式でEを消去し、また(2)式を利用すると、下式を得る。

 

(3)全体の走行パワーの導出

 一般的に自転車走行に必要な走行パワーは、登坂抵抗Psの他に、転がり抵抗Pr、空力抵抗Pw、チェーン等の伝達抵抗PTとバランスして速度が維持される。文献(2) 

 ここで、伝達抵抗PTは十分小さいと仮定して無視すると、全体の走行パワーPは、以下(6)式で表される。

転がり抵抗パワーPrは、文献(2)により下式で表される。下式で、Crrは転がり抵抗係数、mは自転車全体の質量(kg)、Vは速度(m/s)だ。

一方文献(3)によると、空力抵抗パワーPwは以下で表される。下式中、ρは空気密度(kg/m^3)、Cdは空力抵抗係数、Aは前面投影面積(m^2)だ。

(5)~(8)式により、全体の走行パワーPは、以下となる。

 

 (5)(7)(8)式に基づいて、転がり抵抗パワーPr、登坂抵抗パワーPs、空力抵抗パワーPwのそれぞれについて、数値計算した結果を下図に示す。また、数値計算に用いた前提条件を表に示す。

 下図において、勾配10%以上の激坂でかつ、低速(10~20km/h)のヒルクライム領域では、登坂抵抗パワーが最も大きなパワーであり、他の転がり抵抗パワーPrや空力抵抗パワーPwは無視できることが分かる。

 一方、平坦かつ高速(50~70km/h)のスプリント領域では、空力抵抗パワーPwに比べると転がり抵抗パワーPrは無視できる程度に小さいことが分かる。

 

(4)ヒルクライム速度とパワーウエイトレシオ

 前節の図で示したように、ヒルクライム領域では、Pr,Pwは無視できるため、P≒Psとして、速度Vは、以下(10)式で表される。

 (10)式中のmは、自転車の総重量である。サイクリストの体重をWc(kg)、自転車の車体重量Wb(kg)とすると、下式で表される。

 ロードバイク の場合、Wc>>Wbと仮定すると、m≒Wcが成り立つ。また、ZWIFTなどの区分で用いられるパワーウエイトレシオPwrと FTP(=Functional Threshold Power、1時間継続して出せるパワー)の関係を用いると、(10)式は以下となる。

 (12)式は、ヒルクライム速度Vは、パワーウエイトレシオPwrに正比例することを意味する。式(12)のヒルクライム速度VがパワーウエイトレシオPwrに正比例するとは、何とシンプルかつ美しいことか!

 

(5)ヒルクライムは、小柄が有利

 本節では、かなり大胆な仮説(妄想に近いかも?!)を採用して、何故ヒルクライムは小柄な人が有利かを説明したい。

 サイクリストの体重Wc(kg)は、体形などによるばらつきを許容した上で、一般的に、身長L(m)と以下の関係がある。

 一方、FTP(1時間継続して出力できるパワー)は、筋肉に継続的にエネルギーを供給する血管の太さに依存すると仮定すると、血管の太さ(=面積)は、身長の2乗に比例すると考えられるので、以下の(15)式を得る。

(12)~(15)式により、以下が成り立つ。

 (16)式は、ヒルクライム領域においては、登坂速度Vは身長Lに逆比例することを意味する。すなわち、(16)式は、小柄な人がヒルクライムで有利な傾向を示す証拠と考える。

 

(6)スプリントは、マッチョが強い

 スプリント系選手が活躍するのは、平坦コースだ。平坦かつ高速度(50~70km/h)のスプリント領域においては、(4)節の図で分かるように、空力抵抗パワーPwが走行パワーのほとんどを占める。そのため、 (6)式でPs,Prを無視して、以下の(17)式が得られる。

(17)式を用いて、Vを求めると、以下の(18)式を得る。

 (18)式で求める速度Vは、ゴール前の数百メートルのスプリント速度だ。そのため(18)式中のPは、1分以下の短い時間に出すピークパワーPpが該当する。

 ピークパワーPpは、継続的に筋肉にエネルギーを供給する必要は無いため、血管の太さよりも筋肉量そのもの(Lの3乗)に比例すると仮定する。

 一方、前面投影面積Aは、選手がクラウチングスタイルをとれば、高さは小柄な選手と同程度となるが、横幅は身長Lに比例して大きくなる。この考察により、前方投影面積Aは、Lに比例すると仮定する。

(18)~(20)式により、以下(21)式が成立する。

 (21)式は、空力抵抗パワーだけで決まるスプリント走行の場合、速度は身長Lの2/3乗に比例することを意味しており、スプリントは身長が大きく大柄でマッチョな選手が有利である証拠と考える。

(7)まとめ

 

参考文献

(1)日本道路協会「道路構造令の解説と運用」2004年2月、p401、図3-60

(2)2020/2/23 当ブログ「何故自転車は速いのか? 自転車の車輪の転がり抵抗について-2」

(3)2013/7/26  CBNブログ 「 [特集] 自転車の走行抵抗について chapter 2」

 

 

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若狭路センチェリーライド2023と若狭観光

 先月末5月28日に、若狭路センチェリーライド2023に参加した。私はこれまで、いろいろなサイクルイベントに参加したが、故郷福井のサイクルイベントは、初参加だ。

 私の実家のある越前市から、わざわざレンタカーを借りて行くので、センチェリーライド前後で、若狭を観光することした。本ブログは、センチェリーライドと若狭観光の両方について報告する。

 長文のため、お急ぎの方は以下の目次を活用して関心のある箇所をご覧ください。

 

(1)コースについて

 若狭路センチェリーライド2023は、ロング(160km)、ミドル(120km)、ショート(80km)の3コースあるが、私はロングコース160kmを選択した。

 今回実際に走行したロングコースの走行マップを、STRAVAを利用して以下に示す。

 ロングコースは、若狭町役場を出発後、まず三方五胡レインボウラインの頂上付近のA1(17.3km)まで登った後、若狭湾の海岸線に沿って走り、敦賀半島のA2(42km)を経由してA3(71.4km)に到達後、山間部の熊川宿A4(92.3km)まで登った後、海岸沿いに小浜A5(127.8km)を経由して、若狭町役場(160km)でゴールだ。

 

(2)ライドを走ってみて

 このコースの風光明媚なポイントは、三方五湖レインボウライン頂上付近(A1)からの三方五湖の風景と、エイドA4熊川宿の昔ながらの鯖街道の風情だが、これらのポイントはいずれも標高が高く、登りの難所でもある。

 ライド前に各エイドへの目標タイムを設定したのだが、ランチするエイドをどこにするのかをちょっと悩んだ。具体的には、エイドA3だとちょっと早すぎるが、エイドA4だと私の脚力だとかなり遅くなってしまうのだ。結局、エイドA3(71.3km)で早めのランチを取ることにして、あらかじめコンビニで買っておいたおにぎりを喫食した。早めのエネルギー補給は、ハンガーノック回避のために大事という去年の島根のライドの教訓を活かした作戦だ。

 今回のロングコースの獲得標高は、海岸線の細かなアップダウンのため1834mと大きく、私にとってはかなりきつかった。細かなアップダウンが延々と続くと、「また坂」というメンタルな消耗が激しいのだ。最後のゴールにたどり着いた時は、ゴール門限(16:30)16分前で、体力的にもギリギリだった。

 以下に各エイドへの到着時刻と出発時刻の実績を示す。門限時刻と実際の出発時刻の差分がいわゆる余裕のマージンだが、当初は1時間以上あったマージンが、次第に減少し、ゴール時は、わずか16分となった。



(3)ライド風景

 以下に、写真を中心にして、各ポイントでのライド風景を示す。

 

スタート前風景(0km)
 朝6時から、約10人毎のウェーブスタートのため、実際の私のスタート時刻は6:07頃だった。

 

 

 

 

レインボウライン山頂付近(約42km)
 エイドA1近くの眺望が良い展望所だ。
 この展望所は、山頂よりも少し下に位置しているため、ここから山頂へはさらにリフトで登る必要がある。山頂からの写真は、5-2)現地写真いろいろをご覧頂きたい。

 

 

熊川宿(エイドA4、92.3km)
 昔、鯖街道の宿場町として栄えた熊川宿だ。エイドA4までは、歩行者の安全を守るため、自転車の押し歩きする区間(700m)がある。自転車を押して歩くと、時間ロスがあるので、ちょっと面倒くさいルールだ。

 

ゴール(161.7km)
 16:14若狭町町役場付近でゴール。門限時刻(16:30)16分前のゴールだった。
 筆者(左端)は、ウクライナ応援ジャージでの参戦だが、だれも気づいてくれなかったのが、ちょっと残念だった。

 

 

(4)ライドまとめ

1.若狭センチェリーライドのロングコース(160km)は、獲得標高が1800mを超えるコースで、距離も長く登りもあるタフなコースだ。

 

2.ライドの風景も良いので、それなりに楽しめるライドだ。また、エイドが5つと少ないものの、必要なポイントには設置されているので、安全性や快適性はキープされている。

 



(5)若狭観光

5-1)日程について

 今回の若狭観光&ライドの2泊3日の日程表を以下に示す。福井県越前市にある実家を起点として、レンタカーで若狭町まで移動した。今回の日程を、以前ブログで提案した「記号表記法」に基づいて分類・表記したところ、輪行分類は単一拠点型で、記号表記では"C1B1C"となった。

 若狭観光は、センチェリーライドの前日(5/27)午後に若狭町を、ライド翌日(5/29)に敦賀をそれぞれ観光した。宿泊先は、センチェリーライドのスタート地点(若狭町役場)に近い世久見海岸にある「うべしま館」だ。

 

5-2)現地写真いろいろ

 ライド前日に観光とライド下見を兼ねて、三方五湖レインボウラインをレンタカーで走ってみた。駐車場からリフトで登ったレインボウライン山頂からの景色は素晴らしかった。

 以下の写真では、一番右奥が三方湖、右側手前が水月湖水月湖の奥の小さな湖が菅湖、左手前が日向湖、左奥が久々子湖、一番左奥は日本海だ。福井の誇る三方五胡は、あまり知名度が高くないが、もっと多くの方々にその景色を楽しんでもらいたいと、福井県出身の筆者としては思う。

三方五湖全景(3枚写真合成)

年縞博物館-1
 年縞博物館は、水月湖で最近発見された年縞が展示している。年縞とは、水月湖の底に堆積した泥の縞模様だ。水月湖の湖底では、四季に応じて異なる成分の藻やプランクトンなどが堆積・腐敗するため1年毎の縞模様が刻まれた年縞が出来るのだ。

 

年縞博物館-2
 この写真は10000年前の地層の年縞だ。縦に細かいしわしわが1年毎の年縞を示している。1年の年縞はたった0.7mmだが、水月湖は7万年分の年縞が完全に読み取れる形で確認出来たため、世界的にも貴重な年代測定の基準データが得られる年縞とのことだ。

 

うべしま館
 この旅館は、とにかく食事のボリュームは満点。ただし、女性には量が多すぎるかも。また、ご主人は定置網の漁師なのでその日水揚げされた魚がいただける。
(※)写真はうべしま館HPから引用。

 

赤レンガ倉庫とわかさ号
 敦賀港にある赤レンガ倉庫とわかさ号だ。わかさ号はJR小浜線にかって走っていたディーゼル型急行電車だ。
 赤レンガ倉庫は、現在はレストランなどの店舗が入っている。

 

 

敦賀ムゼウム
 今から100年前、敦賀から日本に入国したポーランド孤児。その20年後、ナチスから逃れて杉原千畝が発給したビザを持ってウラジオストクから敦賀に入港したユダヤ難民。このような孤児や難民の入国を記念した博物館だ。
(※)写真は敦賀市HPより引用。


旧大和田銀行本店
 昔の敦賀経済を支えた大和田銀行の本店建物(1927竣工)だ。敦賀の地域経済の中心となる銀行機能のほか、市民のための講堂や、レストランなども備えており、当時の先進的建物だった。
 大和田銀行創業者の子孫には、俳優の大和田伸也・大和田獏兄弟がいる。

 

(6)まとめ

 今回初めて、故郷福井のサイクルイベントに参加したのをきっかけに、若狭観光したが、あらためて故郷を見直す機会になって良かったと思う。例えば、いつもは通過点にすぎない「敦賀」をあらためて観光してみると、新しい発見があった。
 また、機会があれば、故郷を旅をしたいと思う。