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自転車トレーニング20年の歩み-1/3 多摩川CR編

 私が本格的に自転車を始めたのは、2005年の西伊豆ツーリングからだった。電機会社に勤めていた私は、会社の勤続25年の特別休暇を利用して、西伊豆を単独ツーリングしたのだった。それから今年で約20年が経過した。

 そこで、これまでの20年間の自転車トレーニングを振り返り、私の自転車の基本的な運動能力がどのように変化したのかを、今回の記事を含めて3回の記事で検証し、今後の自転車トレーニングの方向性や方針を考えたいと思う。

 第1回目の今回記事では「自転車トレーニング20年の歩み-1/3」として、多摩川サイクリング道路(CR)でトレーニングした15年間(2005年~2019年、52才~66才)について振り返る。 

 次回の第2回目記事では、多摩川CRと同時並行的に自転車通勤でトレーニングした8年間(2011年~2018年、58才~65才)について振り返る。

 第3回目の記事では、2020年以降にZWIFTでトレーニングした6年間(2020年~2025年、67才~72才)について振り返ろうと思う。

 本記事は長文につき、お急ぎの方は、[1]、[2]、[5]、[6]をお読みください。

 

[1]はじめに

 2005年の西伊豆ツーリングをきっかけとして私が始めたのが、多摩川サイクリング道路(CR)でのトレーニングだ。主に週末を利用して、多摩川CRを走るのを日課としていた。この多摩川CRでのトレーニングについて、今回の記事では振り返り、分析・検討する。

 

[2]多摩川CRのルート

 私の現役時代は、週末になると自転車トレーニングのために多摩川CRを走っていた。具体的には、川崎側の多摩川丸子橋から二子橋までの約4.5kmの区間を全速力で走行するライドを多摩川ライド(TM-R)と称してトレーニングしていた。

 そのサイクリングルートを以下に示す。

 

多摩川ライド(TM-R)

川崎側の丸子橋←→二子橋 往復距離=9.02km

 

[3]多摩川ライドTM-Rの記録

 多摩川ライドTM-Rでは、丸子橋から二子橋までの往路の走行時間と、二子橋から丸子橋までの復路の走行時間の両方を計測・記録した。往復の時間を計測する理由は、追い風や向かい風の影響を出来る限り小さくするためだ。以下に、その計測データを示す。

 

多摩川ライドTM-Rの往復時間Tの推移

 2005~2019年の15年間を3年間毎の5つの期間(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ)に分けて、それぞれの期間で線形近似直線を求めて、分析した。

 Ⅰの期間では、往復時間Tの短縮が顕著で、近似直線の傾きから年あたり100秒程度の往復時間の短縮となっている。一方、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳの期間での時間短縮は、18~22秒/年だ。しかしながら、データのばらつきが大きいため、これ以上の詳細な分析は難しい。

 これ以上の詳細な分析するためには、データの大きなデータのばらつきを低減する必要があるため、次章[4]でばらつきとその改善方法を検討したので報告する。

 

[4]ばらつきの低減検討

 多摩川ライドのデータにおける、大きなばらつきの要因として、以下の2つが考えられる。

 

(1)季節変動要因

  年毎のグラフの変動をみると、データが1年毎に周期的にうねっているのが分かる。この周期的な季節変動では、夏に比べて、冬の方が平均速度で2-4km/h程度遅くなっている。この理由として、以下の2つの要因が考えられる。

 a)冬は体温維持のためのエネルギーが必要で、その分、運動パワーが限定される。

 b)夏は軽装で走るが、冬は保温ウェアの走行抵抗が大きい。

 

(2)風による影響

 風による影響は、往復する合計の走行時間を計測することで一次近似的には相殺される。しかしながら、風速が強い場合には、第2次近似まで考慮に入れる必要がある。

 これらを理論的に確かめてみる。往復時間Tは、風の速度Vwと無風時の自転車の速度Vを使って、以下の(1)式の様に計算される。

 (1)式において、Vw/V=Xとすると、以下の(2)式を得る。

 (2)式において、風の速度Vwが十分に小さな場合は、Xが1よりも十分小さいと仮定して一次近似の公式で近似すると、風の影響が往路と復路でキャンセルされるため、往復時間Tは無風時の往復時間T0と合致し、以下の(4)式となる。

 しかし風の影響が自転車の速度に対して無視できないほど強くなると、一次近似式が成り立たなくなる。その場合は2次近似式を用いて近似すると、以下の(5)式を得る。

 (5)式によれば、風の影響が自転車の速度に対して無視できない場合には、無風時の往復時間T0よりも、実際の往復時間が遅くなることを示している。

 ここで往復時の往路と復路の往復時間差をΔTとすると、以下の(6)(7)式を得る。

(7)式を(5)式に代入して、以下の(8)式を得る。

 (8)式によれば、往復時間Tは(ΔT/T)の2乗の2倍遅くなることが分かる。そこで、2005年~2019年のデータを5つの期間(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ)に分けて分析した結果を下図に示す。簡単化のために往復時間差ΔTによる変化は直線で近似した。ばらつきが大きいものの、往復時間差ΔTが大きくなると往復時間Tが遅くなる傾向が確かめられた。

 

 

往復時間Tの往復時間差ΔT依存性

 上図の直線の切片が、無風時の往復時間T0となる。

 また、この直線近似式の傾きが0.5前後であることに着目すると、往復時間差ΔTが120秒以下の場合は、誤差は約60秒以下となり、往復時間全体(~1200秒)に対する誤差は5%以下となることが分かる。

 一方、(8)式で予測される誤差は、往復時間差ΔT=120秒の場合、往復時間全体を1200秒と仮定するとΔT/T=0.1となり、(8)式で計算される誤差2(ΔT/T)2乗=2%となる。上図の直線近似式で予測した誤差5%と比較すると、2倍程度異なっているが、(8)式は所詮近似式なので、この程度の違いは受け入れることとする。

 

[5]風の影響を低減した多摩川ライドのデータ

 上述の風による影響の検討において、往復時間差120秒以内のデータに限定すれば、誤差は2~5%以下となることが示されたため、往復時間差120秒以内のデータに限定して分析すことにした。その結果を下図に示す。下図を見て分かる様に、大きく外れたデータは少なく、見やすいグラフになった。

 

多摩川ライドTM-Rの往復時間Tの推移  (風の影響低減後)

 

多摩川ライドTM-Rの平均移動速度の推移  (風の影響低減後)

 
 上記グラフデータに基づいて、年毎の体力の推移を調べるため、年間平均の平均移動速度を算出した結果を以下のグラフに示す。

 

多摩川ライドの平均移動速度(年間平均値)の推移

 2005年~2019年の15年間を、初期増強期、停滞期、増強期、体力維持期の4つの時期に分けて、以下に説明する。

 初期増強期(3年間、2005~2007年、52~54才)では、山口自転車製のマウンテンバイクで、がむしゃらに走っていた時期だ。この時期は、トレーニング開始直後なので、走っただけ体力が向上したものと思われる。

 停滞期(7年間、2008~2014年、55~61才)では、永年勤めていた電機会社で仕事をする傍らで、長岡技術科学大学に社会人入学するなど、定年後の方向性を模索していた時期だ。また2011年~2012年に3回に分けて胆のうの手術をしたこともあり、この時期の体力向上は緩やかで、記録は思うように伸びなかった。

 増強期(4年間、2015年~2018年、62~65才)は、体力増強が目覚ましかった時期だ。この時期に体力増強した要因を以下に示す。

 

1)トレーニング後に牛乳摂取を開始。(2014年9月17日放送ためしてガッテン以降)

2)レーサーパンツ等のサイクルウェアを着用開始。(2016年~)

 

 ウェアによるタイム短縮は、体力増強とは関係ないが、可能性は否定できない。また実は2011年~2018年の期間は自転車通勤しており、トレーニングの頻度も高くなっているため、その効果も無視出来ない。

 しかしながら、私が一番大きい要因と考えているのは、2014年9月17日NHK放送の「ためしてガッテン」で運動後に牛乳を飲むのが体力向上に良いと紹介されたがきっかけで、トレーニング後に牛乳を飲むことにしたことだ このためしてガッテンの放送では、運動終了後30分以内に牛乳を飲むと筋力増強などの効果があることが示された。

 そのため私は、NHK放送日の次の日から、トレーニング直後に必ず牛乳を飲むことを習慣としたのだった。

 このような努力が実って2018年には遂に年間平均速度が30km/hを超えて30.5km/hをマークした。30km/hで走れることは、初心者から中級者になるためのボーダーラインと言われているため、当時の私は、自分もやっと中級者の末席に加わったと喜んだものだった。

 2019年以降の時期を「体力維持期」と表現したが、正確に言うと加齢による体力減衰を出来るだけ抑える期間だ。私の場合65才で体力のピークを迎えているが、その後は、体力を出来る限りキープするための努力が必要と思う。

 この体力維持期については、3回目の記事のZWIFT編(2020年~2025年、67才~72才)で紹介しようと思う。

 

[6]まとめ

1)多摩川CRの区間を定点観測的にサイクリングする場合、往復時間を計測することで、風の影響を軽減できる。しかしながら強風の場合は無視できない誤差が生じ、往復時間は長くなる。

2)風の影響以外に、冬の方が夏に比べて遅くなる季節変動ばらつきがある。

3)トレーニング直後の牛乳摂取により、60才を越えても体力向上することが出来る。

 

 以上長文で読みにくい記事を最後までお読み頂いた読者諸氏に感謝いたします。

 今後、自転車トレーニング20年の歩み1/3、2/3をアップします。

 乞うご期待!!

 

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