本記事では、先月参加した「宮崎太平洋ライド2025」と宮崎・高千穂観光について紹介する。本記事は長文なので、お急ぎの方は以下の目次を利用して、興味あるところだけ閲覧頂ければと思う。
- (1)宮崎太平洋ライド2025のコース
- (2)宮崎太平洋ライド2025を走ってみて
- (3)ライドまとめ
- (4)旅行日程
- (5)宮崎までのアクセス
- (6)宮崎観光ホテルほか
- (7)宮崎市周辺の観光
- (8)高千穂観光
- (9)エピローグ
- (10)終わりに
(1)宮崎太平洋ライド2025のコース
私が走ったのはロングコース100kmだ。このコースは、宮崎空港の南側に位置する「ひなたサンマリンスタジアム」を出発して、西側の田野に向かって走り、山間部の「道の駅 田野」(24km)を南下して「飫肥城址」(53km)を経由して、東側の海岸沿いを北上し「富士海水浴場」(78km)、「道の駅 フェニックス」(87.5km)を経由して、スタート地点の「日向サンマリンスタジアム」に戻ってゴールだ。
宮崎太平洋ライド(100km)コースマップ

(2)宮崎太平洋ライド2025を走ってみて
以下に実走マップを示す。前半は小降りの雨で、おまけに登り坂だったのでハードだったが、後半は雨が止みかつ海岸沿いの平坦コースになったので、比較的快適だった。
宮崎太平洋ライド2025 実走マップ(2025/5/18 STRAVAより)

スタート前(2025/5/18 7:03)
宮崎太平洋ライドの開会式などの運営を見ると、何となくT-Lineという業者任せの印象を受けた。また前日の宮崎市の観光ボランティアは、この太平洋ライドのことを知らなかったので地元への周知度もイマイチだ。
それはともかく、私はウェーブスタートの第4~5番目あたりの7:10にスタートした。

あさぎり橋(2025/5/18 8:56)
午前中は小雨が降って登り坂の悪条件だ。このあさぎり橋は、エイド1「道の駅田野」近くにあり、赤い鉄橋が印象的だ。

10本杉(2025/5/18 9:17)
今回のライドの最大標高地点の飫肥杉(おびすぎ)峠付近での写真だ。山の斜面に目立っている10本程度の杉が面白い。後で知ったのだが、この日南市は杉の産地で有名とのこと。

日南線と広渡川(2025/5/18 10:06)
ここは県道430号線と日南線と広渡川が並行しているので、鉄道マニアだったら絶対写真を撮りそうなポイントを撮影した。残念ながら電車は来なかったが、ここに電車が来たら、さぞかし絵になったと思う。

立石海岸の鬼の洗濯板(2025/5/18 11:10)
前日の青島観光でも鬼の洗濯板を見たのだが、この立石海岸の鬼の洗濯板は、そのさりげなさがGood!

エイド4 富士海水浴場にて(2025/5/18 12:33)
エイド4で昼食をとりながら、宮崎市の中高年の地元ライダーとも少し会話できた。後述するように、このエイドで薬のピルケースと保冷ケースを置き忘れてしまった。

(3)ライドまとめ
以下の「エイドまとめ」に示すように、各エイドへの到着時刻(IN)と出発時刻(OUT)について、それぞれ事前に計画した目標時刻と実績時刻をまとめたみた。目標時刻よりも実績時刻が早い場合は緑にアミガケ、目標時刻よりも遅れている場合はピンクにアミガケした。
これを見て分かる様に、最初は遅れ気味だったが、後半では目標時刻よりも早く各エイドに到達し出発できて緑色になっている。今回は、かなり計画通りに走れたと思う。
今回のライドの反省点は、ランチした富士海水浴場で、薬の入ったピルケースと保冷バッグをエイドのテーブルに置き忘れてしまったことだ。幸い、薬のピルケースはもう一つ予備のピルケースがホテルに手つかずであったため、大きな問題にはならなかった。しかし帰宅後に、ピルケースと保冷バッグを購入せざるを得なくなった。
原因としては、当日雨模様だったため、デイバッグの中が雨具や携行食などでごった返していて、ピルケースが無いのに気づくのが遅れてしまったことがある。
この再発防止対策として、今後のライド時のデイバッグをもう少し大きめにして、整理しやすくする対策を検討中だ。
エイドまとめ(2025/5/18)

以下に、走行まとめを示す。停止中の時間を差引いた実走行時間で計算した平均移動速度(AMV)は21.1km/hだった。AMV≧20km/hは、私にとっては満足できる結果だ。
走行まとめ(2025/5/18)

(4)旅行日程
今回の宮崎県訪問は、50年以上前の高校修学旅行以来になるが、修学旅行はほとんど覚えていないため、実質的に今回が初めての宮崎旅行となる。
そのため5泊6日の日程で、宮崎と高千穂観光を楽しむことにした。私の妻は最近義母と高千穂を訪問したばかりなので、妻は誘わず今回は私の単独旅行だ。
下表に今回の旅行日程を示す。1-2日目は宮崎周辺を観光し、ライド後はレンタカーで高千穂に移動して、高千穂周辺を観光することにした。黄色帯には、私が以前提案した輪行分類と記号表記を下表の黄色帯に示す[1]。また飛行機に自転車を積み込むための輪行バッグは、私のお気に入りのAero Comfort3.0だ[2]。

(5)宮崎までのアクセス
JAL687便(2025/5/16)
宮崎空港に向かうJAL687便の大阪万博イラストがきれいだった。大阪万博は前評判が悪かったが、行った人の話を聞くと案外面白いかもしれない。行く価値あるかも。

宮崎ブーゲンビリア空港の看板(2025/5/16)
この写真では分かりにくいが、よく見ると「宮崎ブーゲンビリア空港」とある。ブーゲンビリアとは、宮崎観光の父と呼ばれる岩切章太郎氏が愛した熱帯性の花で空港のシンボルとなっている。

自転車をレンタカーに搭載
今回はオリックスレンタカーで借りたマツダの軽自動車「FLAIR」が旅のお供だ。FLAIRの荷室の大きさだが、自転車を梱包したAeroComfort3.0は余裕で収まる。
自転車組立後は、下の写真にあるように前輪を90度曲げて、助手席シートの後ろの隙間に入れる必要があるが、大きな問題はない。難点は、付属しているカーナビがくせ者で使いにくいため、スマホのグーグルマップを補助的に利用する必要があった。
自転車を梱包したAeroComfortの収容(2025/5/16)

組立後の自転車の収容(2025/5/17)

(6)宮崎観光ホテルほか
宮崎市の宿は、大淀川沿いに建っている宮崎観光ホテルだ。宮崎交通が経営するこのホテルは、今回の太平洋ライドのスタート/ゴール地点のひなたサンマリンスタジアムにも近いので、今回の宮崎の宿泊先とした。
このホテルの裏手には、自走式の立体駐車場があるので、レンタカーを立体駐車場に駐車して、雨に濡れずに自転車の組立等の作業が出来たのはありがたかった。
宮崎観光ホテル(2025/5/16~5/19)

ライド前日は、宮崎観光ホテルの外で夕食することにして、近くの「一平寿司」に行った。この寿司屋は、レタス巻きが特徴ということで食べてみた。レタス巻きは、格別おいしい訳ではないが、歯ごたえが良い印象。この店は、かっての東国原知事も訪れたという。
一平寿司(2025/5/17)

(7)宮崎市周辺の観光
青島と鬼の洗濯板
青島と九州をつなぐ弥生橋からは、見渡す限り鬼の洗濯板が広がっている。ここはパワースポットとのことだが、ちょっと日本離れした景観で、明治維新まで青島が神聖な場所として、一般人の出入りが制限されたことも分かる様に気がする。
弥生橋と鬼の洗濯板(2025/5/16)

鬼の洗濯板(2025/5/16)

日向神話館(2025/5/16)
日向神話館は青島神社に併設された神話館で、私が青島神社に行ったときは、係員も不在で閉まっていたので、係員に頼んで開館してもらった。
写真は、第1景の天孫降臨の場面だ。天照大御神が、孫に当たる「ニニギノミコト」に「葦原中国(アシハラノナカツクニ)=日本」を統治するため、高天原から地上に降臨することを命ずるシーンだ。左側には、ニニギノミコトに付き従う神々と3種の神器が並んでいる。この展示が、通常のパネル形式ではなく、蝋人形仕立てなのは何となく説得力がある。

神武天皇までの系図
上述したように、天照大御神に命じられたニニギノミコトが地上に降臨して日本を統治したことが、下図の赤枠で囲った部分で示されている。天皇家の始祖とされる神武天皇は、下図の左下部に記載されているが、ニニギノミコトのひ孫に相当する人物だ。
このような古事記や日本書紀に出てくる神々の多くが、何故か宮崎県にゆかりがあるというのが面白い。そのことが宮崎県を神話の国とするゆえんだろうが、そうかもしれないと思わせる空気感が宮崎県にはある。

江田神社とみそぎ池(2025/5/16)
上の系図の最初に出てくるイザナギとイザナミを祀った神社が、江田神社だ。イザナギは天照大御神を産んだことでも知られている。江田神社では、現地のボランティアガイドが無料で親切にガイドしてくれる。当日私は、ボランティアガイドの米崎さんに大変お世話になったので、この紙面を借りて感謝申し上げる。
余談だが、私が来ている緑色のTシャツは、実はツールドフランスのTシャツだが、この日たまたま青島に来ていたフランス人女性が私のTシャツを見て、感激して私に話しかけてきた。ベトナム弾丸旅行に行った時も、このTシャツで同様にフランス人女性に声をかけられた。フランス人は自分にとって好ましい行動を取る他人に対して、積極的に褒めてくれるようだ。
みそぎ池は、イザナギが穢れた体を清めたと伝わる池だ。この清めている時に、天照大御神を含めた3柱の神が生まれたという。[3]
江田神社(2025/5/16)

みそぎ池(2025/5/16)

宮崎神宮
宮崎神宮は、神武天皇を祀った神社だ。以下の写真に示す様に、参道も雰囲気があって好印象だ。宮崎神宮の参道を歩いていたら、結婚式の行列に出会った。まだまだ現役の神社のようだ。
宮崎神宮への参道(2025/5/17)

宮崎神宮の本殿(2025/5/17)

皇宮神社(2025/5/17)
宮崎神宮の西北600mに位置する皇宮神社は、即位前の神武天皇=カムヤマトイワレヒコノミコトが15才から45才まで実際に政務をとった場所とのことだ。宮崎神宮に比べると、この神社は参拝者も少なく、ひっそりとたたずんでいる。
「カムヤマトイワレヒコノミコト」は45才のとき、この国全体の統治を目指して、東方遠征する。刃向かう勢力を次々と征伐して、紀元前660年(51才)2月11日に初代天皇「神武天皇」として即位したという。これが、2月11日を建国記念日の祝日とする根拠になっている。
皇宮神社(2025/5/17)

(8)高千穂観光
太平洋ライドの翌日5/19に、宮崎市からレンタカーで北上して高千穂に行き、ホテルグレイスフル高千穂に2泊した。
宮崎県は南北に長く、また高速道路も片側1車線の区間が多いため移動に時間がかかる。おまけに私は延岡ジャンクションで道を間違えたため、延岡の北の北川ICまで行ってから、また延岡に引き返す時間ロスが発生した。そのため、高千穂に到着したのは15時近くになってしまった。
ボートで高千穂峡(2025/5/20)
高千穂峡の貸しボートは、WEB予約出来るが、2週間先まで予約が埋まっているため前日にはWEB予約出来ない。そのため朝8時頃からチケット売場に並んで、5/20当日のボートチケット(11時枠)をゲットした。ボートに乗る11時までは、高千穂峡や高千穂神社を散策した。
高千穂峡(2025/5/20)
以下の写真は、貸しボートに乗る前に高千穂峡の上から撮影した。滝の周辺はボートが過密状態だ。

天安河原(2025/5/20)
午後に天岩戸神社(西本宮)を参拝し天岩戸を見学したのだが、残念ながら天岩戸は撮影不可で、写真撮影出来なかった。その代わり天安河原は写真撮影できたので、以下に掲載する。
この天安河原は、天岩戸に隠れてしまった天照大御神をどうにかして出てきてもらうため、八百よろずの神々が相談した場所だ。個人的には、八百よろずの神々が相談したという割には狭いという印象だ。

あまてらす鉄道
2005年の台風被害で廃線となった高千穂鉄道の路線の一部を利用して、高千穂あまてらす鉄道が観光目的のトロッコを運転している。このトロッコに、タイミング良く乗ることが出来た。折り返し運転になる高千穂橋の絶景の中で、シャボン玉を飛ばすサービスがあり、きれいだった。
高千穂橋の上でのシャボン玉飛ばし(2025/5/20)

高千穂牛レストラン和(なごみ)(2025/5/20)
高千穂の街なかに「がまだせ市場」という変わった名前の市場がある。その一角にJAが経営する高千穂牛レストランがある。高千穂牛は、宮崎牛の中でもグレードの高い4等級以上の貴重な牛肉だ。またこのレストランは、JA経営のためか、宮崎観光ホテルの宮崎牛レストランと比較して、値段はすこぶる良心的だ。
このレストランは夕方が混むようなので、17時開店直後を狙って行ってみたところ、一人席をゲット。高千穂牛ロースステーキ200gとノンアルビールで5500円也。宮崎旅行の最後を飾るにふさわしい大満足の夕食となった。

(9)エピローグ
帰りのJAL694便が羽田空港にアプローチする際、港区上空を飛行したので、港区の上空からの写真が撮影できた。私が35年勤めたNECの本社ビルやレインボウブリッジがきれいに撮れたので、ちょっぴり幸せな気分になった。
NEC本社ビル近辺(2025/5/21)

レインボウブリッジ周辺(2025/5/21)

(10)終わりに
今回は、宮崎のサイクリングと観光をたっぷり味わうことが出来た。宮崎県民の観光客へのサービス精神は今一歩だが、農業や畜産に対する情熱・本気度はすごいものがあると感じた。
また今回、ライド中に携行品を無くすハプニングがあった。これに対しては、今後の再発防止を図りたい。
最後に、長文記事にも関わらず、最後まで閲覧頂いた読者諸氏に感謝申し上げます。
参考文献
[1]2023/4/20当ブログ「 輪行の分類と、記号表記法の提案」