8月下旬に、郷里の福井県越前市で高校の同窓会があり、久々に会った同窓生の一人が趣味でAIを利用して作曲をしているという。そこで、その同窓生にいろいろと作曲法を教えてもらって、自分でも作曲してみた。
本記事では、私が生まれて初めて作曲した経緯と、全てのサイクリストへ捧げる応援歌「風になる日」について紹介しようと思う。
(1)同窓生の作曲方法
上述した越前市の高校の同窓生の一人は、古城巡りが趣味だが、それを題材にしてAIで作曲してミュージックビデオを制作しているという。具体的には、以下のプロセスで作曲するという。
1)歌詞作成(ChatGPT)
2)作曲(Suno:ChatGPT作成のプロンプトで指示)
3)静止画作成(Midjourney:ChatGPT作成のプロンプトで指示)
4)短時間動画作成(Midjourney:ChatGPT作成のプロンプトで指示)
5)動画編集・合成(Filmora)
(2)今回採用した作曲方法
上述の作曲に凝っている同窓生は、多くの有料ツールを作曲しているため、かなり投資している。しかし私は全くの作曲初心者なので、有料ツールは最低限の利用で始めることにした。具体的には、以下のプロセスで作曲・ビデオ編集することにした。
1)歌詞作成 ChatGPT(無料)
2)作曲 Suno Pro(有料)
3)動画作成 Power Director 365(有料)
実は、3)Power Director365の動画作成がなくても、Suno Proは作曲結果のMP3ファイルや動画をエクスポートできるため、作曲だけが目的ならば、3)Power Director 365は不要だ。しかしながら、YouTubeなどに動画公開するには、Sunoからエクスポートされる動画では少々物足りない。そのため、Power Director 365という動画編集ツールを利用して、作曲したMP3ファイルからミュージックビデオを作成することにした。
(3)「風になる日」の歌詞
以下にChatGPTを利用して作成した歌詞を掲載する。ChatGPTへの指示(「プロンプト」と言うらしい)は、「歌詞作成してほしい キーワードは、ロードバイク、風になる、どこまでも行く、きつい登り、あっという間の下り」と簡単なものだ。しかし、ChatGPTは、あっという間に気の利いた歌詞を出力してくれた。
その後、ChatGPTが作成した歌詞を作曲AIであるSunoProに入力すると、数十秒で曲が出力される。その曲を私が聴いて、気に入らない歌詞があれば修正して、再度SunoProで作曲するという作業を繰り返した結果、以下に示す最終版の歌詞と曲が完成した。
なお、SunoProは、必ず同一歌詞に対して2つ作曲するので、以下の最終版の同一歌詞に対して2つ作曲された。そのため、それぞれの曲を「風になる日A」「風になる日B」と名付けることにした。
「風になる日」
朝焼けの街を抜けて
ペダルを踏み出して行く
心がふわり軽くなる
ただ前だけを見てる
カーブの先に広がる
見たことない景色が呼んでる
「まだ行けるよ」って風が
ささやいてくる
風になるよ この瞬間
何もかも置き去りにして
きつい登りも 歯を食いしばって
あっという間のくだりへと
加速していく心
どこまでも行ける気がした
汗が流れて視界がにじむ
でも諦めるなんてない
坂の向こうに待ってる
あの日夢見た場所へ
風になるよ もう迷わない
昨日よりも遠くへ行ける
きつい登りも無心になって
あっという間のくだりで
自由になる心
どこまでも行くんだ 僕は行く
風になるよ この命が
続く限り走り続ける
マイペースだけど気にしないで
まだ見てない世界へ
風と共に行くんだ
どこまでも行くんだ 僕は行く
(4)ミュージックビデオの作成
ミュージックビデオを作成するには、作曲した音声ファイル(MP3ファイル)の他に、映像ファイルが必要となる。そのための映像ファイルは、私がこれまで自転車で海外で走行した動画を利用することにした。
「風になる日A」は、2018年に走行したケープタウンサイクルツアーの動画を利用して作成した。
一方、「風になる日B」は、2010年に妻と走行したザルツカンマーグートの走行動画を利用して作成することにした。特に「風になる日B」の最後の部分は、映画「サウンド・オブ・ミュージック」に出てくる大佐の家の正門前で止まるカットになっているので注目してほしい。
Power Director 365は初心者でも使いやすいツールだが、歌詞テキストを画面下方に挿入するのには、少しコツが必要だった。でも、何とか作成することが出来た。
作成したミュージックビデオを、以下に紹介する。
(7)まとめ
今回AIの力を借りて、生まれて初めて作曲することが出来た。ド素人の私でも、それなりの曲が出来てしまうAIパワーはビックリするばかりだ。このようなAI時代の到来は、バラ色の未来の始まりか、はたまた人類滅亡の始まりか、私には分からないが、時代のターニングポイントを迎えていることは確かだと思う。
また自分の独り言のような言葉を土台として実際の曲に仕上げていくワクワク感は、やみつきになる面白さがあるので、今後も続けていきたいと思う。