最近参加した2020サイクリング屋久島については、別記事に書いた。本記事では、今回初めて自転車の宅配を使ってみたので、それについて紹介する。 私はこれまで、輪行袋+電車、マイカー、輪行ケース+飛行機+レンタカーなどを経験してきたが、それらはすべて自転車を携行する方法だった。そこで今回は、自転車を宅配するためのバイクケースを選ぶことから始めることにした。運ぶ自転車はピナレロGAN(2019年、フレーム長530mm)を前提とし、選定方針を以下とした。
①できる限り、バイクは分解を避ける。特にディレイラーは外さない。
②海外利用を想定して、ハードケースとする。
③屋久島公認シクロエキスプレスの利用を前提とし、3辺合計260cm以下とする。
ネット調査した結果、上図に示すプレミア パネルガードバイクケースとすることにした。参考にしたのは、文献[1]である。このケースに決めた理由は、以下の通りである。
①ディレイラーは外す必要はない。
②がっちり自転車を固定できるフレーム固定台があること。
→実際には、現在(2020年2月)入手不可のため、結局自作することになった。
③ケースに後付けでキャスターを装着可能であり、携行が容易である。
④3辺合計は229cmで、複数の宅配(シクロエキスプレス、カンガルー便)を
利用できる。
フレーム固定台を自作することにしたので、プレミアバイクケースを購入後に現物を見ながら基本構成をどうするか考えた。その結果、できる限り既存の部品を用いて、一部を自作で対応することにした。以下に基本構成を示し、各構成要素についてさらに写真で説明する。
①フロントフォーク固定は、室内保管用のエンド固定金具(バイクハンドYC-92)を用いる。
②後輪エンドの固定は、ミノウラのエンドサポート3VERGO-TFを用いる。
③車体フレームがケース後方および上方にずれるのを防ぐための治具を自作する。
④ディレイラーガードを用いて、ディレイラーと右側のケースパネルとの干渉を防ぐ。
⑤緩衝材として養生素材を用いて上下逆等の不測の事態に備える。
①② ピナレロGAN(2019年型、フレームサイズ530)のフロントフォークにエンド固定金具を装着し、後輪の固定にミノウラのエンドサポート3VERGO-TFを装着した状態である。
①フロントフォークにエンド固定金具(バイクハンドYC-92)を装着した拡大写真。
②後輪の固定にミノウラのエンドサポート3VERGO-TFを装着した拡大写真。
③ヤザキイレクターで自作した治具。ケース端部にぴったりはまるように作成した四角いフレーム枠が基本構造である。その基本構造に、2本のアームを角度可変のメタルジョイントを用いて取り付けた。これをバイク後方に設置して、バイクが後方または上方にずれるのを防ぐ。
③イレクターで作成した治具をケースに設置した状況。治具の2本のアームの先端は、イレクターのすじかい用プラスチックジョイントをカットしたもので、バイクのシートステイにうまく角度が合うようにアーム角度を調整した。アーム先端にあけた穴を利用して、2本のアームは、2本のシートステイにそれぞれ紐で固定している。
④ディレイラーガードの市販品(アマゾン、ノーブランド品)を購入して利用した。ガンのクイックリリース取付部分が平らでないため、ガードの取付穴は利用出来なかった。そのため、ガードの取付部分のくぼみを利用して何とか取付けた。それでもかなり強固に取り付けられたので、大きな問題はないと思う。
⑤バイクは、DIYセンターで購入した筒状の養生素材で保護した。サイズは、大(青)、中(ピンク)、小(白)があるが、保護するフレームの太さで使い分けた。ハンドルは、ステムを緩めてお辞儀させてケースに収納した。写真では見えにくいが、Lezyneのトラベル用フロアポンプをフロントフォークに縛り付けて収納している。
⑤上下逆になった場合の備えとして、上方に養生シートをかけて保護した。右側にあるデイバッグは、大会当日利用する予定だが、中には取り外したサドルが入っている。手前の黒い部分は、車輪の入ったホィールバッグ2本である。
バイクケースを閉じた状態。これを布カバーで覆うと冒頭の写真の状態となる。 なお、ケースに入れた主な小物部品は、以下の通り。
・空気入れ(Lezyne CNC Travel Drive)
・工具(スパナ、アーレンキー、トルクス)
・トルクレンチ(デジラチェ)
・デイバッグ ・シューズ
・携帯ツールボックス(工具、チューブ含)
・ドリンクホルダ、鍵
・養生シート2セット
・ぼろ布、軍手、掃除道具
参考文献